レッドソックスの上原浩治・田澤純一【写真:田口有史】

写真拡大

上原は右手首骨折で途中離脱、「今後のパフォーマンスに注視しなければ」

 米紙「ボストン・ヘラルド」が、プレーオフ(PO)進出を逃したレッドソックスの各選手を評価する特集記事を掲載した。ブルペンを支える2人の日本人右腕は、右手首骨折で終盤戦を棒に振った上原浩治投手が「B+」と及第点だったものの、後半戦に調子を落とした田澤純一投手は「C+」という評価だった。

 上原は今季もクローザーとして君臨。しかし、8月7日のタイガース戦で右手首に打球の直撃を受けて骨折した。メジャー7年目は43試合で2勝4敗25セーブ、防御率2.23。不運な形でシーズンを終えてしまった40歳について、「B+」をつけた同紙は以下のように評価している。

「8月7日の手首骨折での離脱が影を落としてしまったものの、その時点までに25セーブを記録しており、来季の復帰にも意欲的な上原。来シーズンが契約最終年となっている。2013年優勝の立役者も来年4月で41歳となり、彼の今後のパフォーマンスを注視していかなければならない」

 年齢について“注釈”付きではあるものの、衰えを見せない上原は来季もレッドソックスにとって重要な存在になりそうだ。

田澤は後半戦で失速、「ガス欠は明らか。過去3年間のツケが…」

 一方、後半戦に失速した田澤については、「C+」と上原よりも厳しい評価となった。3シーズン連続の60試合登板を果たしたセットアッパーだが、8月以降は失点が増加。4失点を喫した9月11日のレイズ戦を最後に、疲労を考慮されてマウンドに上がることはなかった。

 61試合で2勝7敗、防御率4.14と不本意な成績に終わった右腕について、記事では「前半戦は9イニングあたりの奪三振率が10.8となっていたが、後半戦では5.7まで低下しており、支配的なリリーバーと呼ぶに相応しい活躍を見せていた前半戦からのガス欠は明らか。過去3年間で203試合に登板しており、そのツケが今シーズンに出てしまった結果となった」と指摘。ブルペンの中心的存在として欠かせないだけに、復活が期待される。

 また、FA補強の目玉として加入しながら、攻守ともに低調なパフォーマンスに終止したハンリー・ラミレス、パブロ・サンドバルは、ともに「F」と厳しい評価となった。

 本職が内野手ながらレフトで起用されたラミレスについて、同紙は「彼のパフォーマンスはチームにインパクトを与えるものとは言いがたいものだった。左翼手としては悲惨なものであり、起用したチームの方針同様に彼自身にも責任はある」と酷評。起用法についての責任も追求している。

 また、三塁での度重なる失策でチームの足を引っ張ったサンドバルについても「その打棒と守備の両面において、開幕当初に期待されていたものからはかけ離れた結果となり、ファンの期待に応えられたとはとても言いがたい。ラミレス同様に失望感漂うレッドソックス初年度の成績となった」と指摘した。

 再建に向けて若手が台頭してきたレッドソックスだが、日本人右腕2人の力は必要不可欠。地区制覇に向けては、大型契約を結んだラミレス、サンドバルの復活も待たれる。