西室氏の慰留で、社長に就任した室町氏(中央)は、こうしたしがらみを断ち切れるのか Photo:REUTERS/アフロ

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「想定はしていないが、万が一、期限通りに提出できない事態になった場合は、進退問題も考えないといけない」

 東芝が、8月31日に予定していた2015年3月期の決算発表を再延期した。不正会計の発覚から約5カ月。当初の経営陣のもくろみと相反するかのように深刻化の一途をたどる不正会計問題に、室町正志社長兼会長も進退に言及せざるを得なかった。

 2度にわたる延期という極めて異例の事態を招いたのは、新たに不正が疑われる会計処理が約10件見つかったためだ。その2週間前に発表したばかりの過年度の利益修正額2130億円が、すぐさま増加する可能性も出てきた。

 今回発覚した案件には、内部通報で発覚したものがあり、社内では、再出発どころか、まだまだ不満が渦巻いていることが分かる。

 室町社長は「内部通報は増加しており、企業風土の改善につながるという意識が社員に出てきた」と強調するが、社内からは「落ちるところまで落ちるべきではないか」(東芝社員)と、諦めの声さえ聞こえてくる。

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