第1回甲子園出場校をピックアップする特集第5回目は、三重四中(山田中)の名で甲子園第1回大会に出場した宇治山田高校。前身校として、宇治山田中学と宇治山田高等女学校が統合されて宇治山田高校となったが、その宇治山田中学が名称を三重県立第四中学としていた際に甲子園に出場した。

かつての三重県高校野球界を引っ張ってきた三重四中(現・宇治山田)

【第1回大会出場とその後】三重県立第四中学(山田中)の名前で甲子園に出場した第1回大会。初戦では、この大会準優勝となる秋田中と対戦し、1対9で敗退してしまう。そして、これ以降の甲子園出場はないというのが三重県立第四中学(現・宇治山田)の甲子園戦歴となる。近年の宇治山田の戦績をみると、2008年夏の第90回三重県大会でベスト8。2013年夏第95回三重大会ではベスト16まで勝ち上がった。

【三重県勢の甲子園での活躍と三重県出身のプロ野球選手】しかし、三重県全体として見ても、甲子園での成績は奮ってはいない。三重県勢としては、1955年第37回大会の四日市優勝が唯一の夏の甲子園優勝であり、昨年の三重による甲子園準優勝も唯一の甲子園準優勝である。また出場回数としては、三重が県内最多の12回、続いて海星が11回となっている。

 一方で、三重県からは近年注目の若手選手が多く輩出されている。夏の甲子園11回出場で県内二位の出場回数を誇る海星には、現在読売ジャイアンツにてルーキーとして活躍している高木 勇人選手が在籍していた。また、昨年夏に県準優勝した菰野からは、現在オリックス・バファローズでローテーションの一角を担う、西 勇輝選手(2015年インタビュー)が輩出されている。他にも、読売ジャイアンツで活躍する中井 大介選手は、過去3回夏の甲子園出場を果たしている宇治山田商に在籍していた。

 そんな三重県勢ではあるが、有力選手育成に関しては環境が整っているように見える。昨年の三重の準優勝から、三重県勢のさらなる飛躍に期待がかかる。第1回大会から100年が経つ今年、第1回出場三重四中(山田中)が築いた礎を胸に、甲子園での三重県勢の活躍に注目したい。

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