もう二度と会えない人へ思いよ届け「天国ポスト」

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色々な記念日がありますが、7月9日は「泣くの日」でした。そして今年の7月9日に、福島であるものが設置されています。

これは、「天国ポスト」と呼ばれるもの。設置したのは「涙活」プロデューサー・寺井広樹氏です。
「毎年、福島などの被災地で涙活を開催しているのですが、福島県いわき市で開催した際、『もう二度と会えない、亡くなった人にありがとうを伝えたい』という声を多数いただきました」(寺井氏)
「もう会えなくなった人に、思いを書くと届けてくれるポスト」が、天国ポストのコンセプトです。

グリーフケアの一環として志茂田景樹氏が命名


それにしても「天国ポスト」というネーミング、素敵じゃないですか? 実は寺井氏から依頼を受け、作家・志茂田景樹氏が命名したんです。
「涙活では最近、“泣ける絵本”の読み聞かせを実施しています。一方、志茂田先生も毎月、絵本の読み聞かせ活動を行っていらっしゃる。そこに私が参加させていただいた際、先生の読み聞かせに思わず泣いてしまいました。その時、涙活の意義や天国ポストのコンセプトについてお話させていただいたところ志茂田先生も共感してくださり、グリーフケア(大切な人を亡くした悲しみをケア)の一環としてご一緒に天国ポストを作ることとなりました」(寺井氏)

そんな天国ポスト、震災だけでなく全国のご家族を失った方からの手紙も募っています。
「天国への手紙は、天国ポスト事務局宛にお送りいただくことでもお預かりできます」(寺井氏)
ちなみに今月の11日にいわき市にて涙活が開催され、その際は以下のような天国への手紙が投函されたそうです。
「天国のおじいちゃんへ。庭でやった花火楽しかったよ。もうすぐうち上げ花火をやるので天国からみてください」
「ソラ(小鳥の名前)へ。元気ですか? 沢山の思い出を本当にありがとう。一度でいいからまた会いたいです」
なるほど。人だけでなく、亡くなった動物に手紙を書く人も多いみたい。
「亡くなった大切な人や動物への思いを綴り、癒やされる人が一人でも多くいるとうれしいです」(寺井氏)

「天国の日」には“返信”も


さて。ここからは、少し先の話をします。10月5〜9日までを「てんごく」にちなみ、全米感涙協会は「天国の日」と制定しました。

「この5日間は、天国から良い子にプレゼントが届くと言われています。ご希望があれば『天国の日』の期間中、亡くなられた方の筆跡などを真似てお返事を書き、ご返信させていただきたいと思います」(寺井氏)
「あの人から返事が届くかもしれない」という送り主の思いを癒やすことが、この試みの目的でした。

最後に。実はこの「天国ポスト」、移動式なんです。福島県いわき市在住の元郵便局長・猪狩弘之さんのご自宅のお庭を出発点とし、全国を周っていきます。現在地については、天国ポストのサイトを見れば確認できるシステムになっているとのこと。

大切な人へ思いを届け、そして癒やされる。「天国ポスト」だなんて、伝わるネーミングですね。
(寺西ジャジューカ)