シェフと自転車屋と音楽家で創った下北沢の新店が、話題!

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昨年、下北沢と三軒茶屋の合間にオープンした『サーモン&トラウト』が話題だ。サーモン料理の専門店? 否!その正体は気鋭の若手シェフによる独創的な料理を楽しめる自転車店(!)だった。

下北沢と三軒茶屋からそれぞれ徒歩10分強という立地にありながら、ヒップな方々の間で話題なのがコチラ。

外観は自転車屋にしか見えず、得体のしれない空間に迷い人も多数。そんなお店にいま、都内中から人が集まっているという。

同店は自転車店の柿崎さん、28歳の若手シェフ・森枝さん、ミュージシャンでもあるソムリエ・山粼さんの3ピースが実にユニーク。

レストランでありながら、置いてある自転車は売り物であり、営業中にはサイクリストが修理に訪れる。

思わず撮影して、アップしたくなる料理の数々をご紹介!

森枝シェフは、シドニーの『TETSUYA'S』で働いた後、『湖月』、『タパスモラキュラーバー』、『246コモン』で腕を揮ってきた。店に立つラフな格好同様、店内の雰囲気もラフで心地よい。料理は10品¥6,500のコースのみ。その内容がまた変態的。酔っ払い海老や鹿カツと、ジャンルに捉われない料理に人々は戸惑い、次の一皿への期待が高まる。

それは、日本酒やワイン、ビール、〆の三河みりん! というお酒のセレクトにおいても然り。マニアックな品種と捻りあるペアリングが独創的な料理を一層楽しくしてくれるのだ。

「“美味しいものを作りたい”が前提。そこに、料理の気づきや、おもしろいねと言われる要素を落とし込んでいる」と森枝シェフ。

食材は青山のファーマーズマーケットや渋谷のチーズスタンド、群馬の農家の野菜、山梨の鹿肉など、繋がりのある人たちから直接仕入れる。

そんなアナログな交流の一方で、facebookやinstagramで客と関係を構築していく様はまさにSNS世代の象徴のような存在。

森枝シェフの世代は、フランスなどの王道ではない国で修業をした人も多く、和と洋などとジャンルを組み合わせるマッシュアップ的な感覚も併せ持つ。その独特の感性が、旧来のシェフ世代とは一線を画す。さらに、この立地についても、森枝シェフならではのこだわりがあるという。

「枠に捉われない個性的な料理を提案できるのが僕らの世代。今は食べる側の舌も気持ちも成熟していますから、若いシェフでも料理とコンセプトに自信があれば、立地に拘らずとも足を運んでくださると思うんです」。

狙い通り、術中にハマったヒップな人々が今日も店を訪れる。