夏のエアコンが冷房病と熱中症の原因? 冷房にだけ依存しない正しい使い方

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いまやエアコンは、一年を通して使われる。特に梅雨から夏にかけては、使いっぱなしという人も多い。
そこで注意したいのがエアコンの利用方法だ。
意外に、誤った使い方が多く、いわゆる“冷房病”で体調不良になったり、節電を心がけるあまり熱中症になったりする.

●エアコンの冷えによる冷房病を防ぐには
いつも使っているから大丈夫は危険だ。
正しい使い方をしないと、知らない間に体調を崩す原因にもなるのだ。

・エアコンの設定温度は、外気との温度差は5℃以内に
冷房の推奨温度は28℃だが、これより極端に低い温度を設定している人も実は多い。
人によって快適に感じる室温は異なるが、もしも「20℃以下」で利用している場合、特に真夏日(30℃以上)や猛暑日(35℃以上)には改めてほしい。
節電のためだけでなく。外気との極端な温度差は体に負担をかけるからだ。
キンキンに冷えた室内に居続けることは、冷房病の元になると考えよう。

・羽織るものを1枚持ち歩く
外出すると、飲食店や電車内などエアコンの温度を自分で設定できない場所がある。
しかも、そのような場所に限って、寒いくらい冷えていることも多い。
夏でも、外出時には長袖シャツやカーディガン、ストールなど、羽織るものを1枚持ち歩くことをお勧めする。
また、日焼け防止用のアームカバーを冷房対策として使ってもよい。こちらは100円ショップでも売られているのでお手軽だ。「上着を着ると暑いけど、半袖だと二の腕が寒い」というようなときに重宝する。

特に、この「二の腕だけが冷える」という人は要注意だ。冷え性の可能性があるからだ。

・エアコンの風に直接当たらないようにする
いくらエアコンの設定温度を適正な28℃に設定していても、常に風が体に当たっている状態では、必要以上に体温が下がってしまい、血流が悪くなる。また、目や肌などの乾燥も進んでしまう。
エアコンの風は、直接、体に当たらないように座ったり、エアコンの送風口の向きやスイングの向きを調整したりしよう。
これはエアコンだけでなく扇風機にも言えることなので、扇風機を利用するときは、必ず首振り機能を利用するとよい。

・そのほかの冷え対策
オフィスでは、室温を勝手に調整できない(しづらい)ことが多い。
膝掛けを利用するなどの対策をしよう。また、喉が渇いたときは、できるだけ温かい飲み物や常温の飲み物を飲むように心がけよう。
夏だからといって冷たいものばかり飲んでいると、体を冷やし過ぎてしまうので、注意が必要だ。

●室内での熱中症を防ぐには
冷え過ぎ対策とは逆に、熱中症への対策も気を付けないといけない。

・温度を下げる前に風量の調整をする
節電や冷え性のため、エアコンを使うのをガマンする人も増えている。
しかし、それで暑さで汗だくになり、脱水症状や熱中症になってしまっては意味がない。

エアコンの温度設定も、かたくなに「28℃」を守るのは間違いだ。
ただし、エアコンの設定温度を1℃下げる前には、風量を少し強くしたり、扇風機またはサーキュレーターを併用したりと、室内の冷気の循環も行いながら、下げていこう。
また、室内の湿度が高いと、実際の温度より暑く感じるため、エアコンの除湿機能で、湿度をとってから冷房に切り替えるなど、湿度に応じた使い分けを行うとよい。

・エアコンのフィルターを掃除する
利用が増える夏には、面倒かもしれないが1〜2週間に1回は、エアコンのフィルター掃除をするとよい。
フィルターをキレイにすることで、冷却効率が落ちずに冷やすことができるだけでなく、電気代の節約にもなる。また費用はかかるが、夏前には業者に掃除を依頼するのも大事だ。特に、エアコン内部にハウスダストやカビなどがたまっていると、健康にも大きな影響を及ぼす原因にもなる。

・簾やグリーンカーテンを利用して直射日光を防ぐ
当たり前のことだが、室内に直射日光が差し込むと室内の気温は中々下がらなくなる。簾やグリーンカーテンなど、日差しを遮るものを設置すると、エアコンの設定温度を必要以上に下げなくても冷房がききやすくなる。

・体温上昇はエアコンだけに頼らずに、水分補給と体を冷やす
すでにご存知のことと思うが、熱中症対策では、「喉が渇いた」と感じる前に小まめに水分を補給することが大切だ。
外出から戻った際や、顔や体が熱いと感じた際は、ただエアコンの設定温度を下げるのではなく、冷たい水で顔を洗ったり、首や脇の下などを冷やしたりして、まずは体を冷やすようにしよう。また発熱したときにおでこに貼る保冷商品もオススメだ。
こうした、エアコンだけに頼らずに、体温を調節することも、体調を崩さないためには必要だ。

・猛暑日など、エアコンのききが弱いときこその暑さ対策
猛暑日など、エアコンだけでは暑いときも当然ある。
そのようなときは、アナログだが、うちわや扇子であおぐのも効果的だ。オフィスなら、卓上扇風機なども効果はある。コンパクトなのに風量があり、静音設計の製品もある。
特に、外出先や屋外から戻った際は、こうした暑さ対策で、短時間に体温を下げることは、冷え性や熱中症を回避するのに有効な方法といえるだろう。