全長18 mmの『ウルトラちびマッチ』を、実際に使ってみ た
![全長18 mmの『ウルトラちびマッチ』を、実際に使ってみ た](https://image.news.livedoor.com/newsimage/2/5/25f64_1115_2e5b88f1_208f9727-m.jpg)
そういえば、世には「太くて短い」か「細くて長い」ものばかりが溢れていますよね。ごぼうは「細くて長い」だし、丸太は「太くて短い」。一方、「太くて長いもの」といえば何がある? ……すいません、思い当たりません。
でも、「細くて短い」ものは見つけてしまいました。「株式会社 NN」が商品化した、その名も『ウルトラちびマッチ』を見てください。
これ、本当に使えるの? すぐ、指が“アチッ!”ってなりそうなんですけど……。何を目的に、こんなマッチを製作したのでしょう。聞いてみました。
「当社ディレクターがヨーロッパをバックパッカー中、小さいマッチを発見したことが全ての始まりでした。あまり見たことのないものだったので調べてみると、“プロモーションマッチ”として昔は日本でも存在していた事実を突き止めたんです」(同社・高橋さん)
しかし、現在ではその機械も廃棄されたという情報が……。
「そこで意を決して日本燐寸工業会に問い合わせると、倉庫にしまっているという1社を奇跡的に教えていただけました。問い合わせたら『小ロットなので予算が高い』とのことで悩みましたが、今やらなければ日本に唯一残るその機械さえ失われてしまうのではと考え、思い切って『作ってしまおう!』と、当社の“ちびマッチ”が誕生したんです」(高橋さん)
なるほど。幸運と勇気の結晶で、このマッチは生まれたのですな……。
ところで気になるのは、パッケージに描かれた“昭和”を感じさせるイラストたち。これ、何の意味があるんでしょう?
「これは“大人の滑稽”をテーマにし、欧米の20〜30年代をモチーフに描かれた風刺画です」(高橋さん)
一番人気は、「バニーちゃん」のイラストが採用されたパッケージ。その他に「四駆に乗ってるドライバー」「ドラム缶風呂に入る中年」「傘を差す怪獣」など、独特過ぎるラインアップが揃います。確かにデスクの引き出しを開けてこれが入ってたら、グッと来るかもしれない! 全て、アーティスト・高橋信雅氏が手がけたイラストだそうです。
さぁ、いよいよ本題へと突入しましょうか。果たしてこのマッチ、本当に使えるのかしら? 実際に試してみたいと思うんですよ。
というわけで、取り寄せました。測ってみると、このちびマッチの全長は18mm。手間取ってたら、あっという間に爪先へ火が届きそうな気がするのですが……。
はい、マッチを手に取りました。そして傍らには、カメラが一台。火を点けたら、いち早く写真に収めなければなりません。行きますよ? 着火! 点いた!! よし、カメラを持て!!! 手間取った!!!! アッチッ!!!!
火を点けてから、熱さに耐えかねマッチを放るまでのタイムは5秒足らずでしょうか。反射的にマッチ棒を辺りに放り捨てる自分のガマンの足らなさに反省です。写真撮影、失敗の巻。
結果、5度の撮影でようやく写真に収めることができたのですが、その辺は実際に撮った写真群で窺っていただきましょうかね。
偶然にもマッチを放り捨てる瞬間や、火に対して完全に指がビビってる様子も窺えますが、これぞ写真のマジックです。
ちなみに写真に撮ろうなんて馬鹿な考えを起こさなければ、実用性は意外にも問題なし。余裕で、タバコに火を点けることができます。マッチで点けたタバコは、美味しいです!
「実用性は通常のマッチに劣りますが、ぜひコレクションとして楽しんでいただきたいと考えています。バーでサッと出した火が『ウルトラちびマッチ』だったら、と考えたならば……。プレゼントで贈っても、喜ばれると思いますよ」(高橋さん)
この『ウルトラちびマッチ』の価格は、6個セットで864円(税込)。同社指定の販売ショップ(商品ページを参照)か、オンラインショップ「密買東京」にて購入することができます。
「やはり、『かわいい!』という反響が最も多いですね。六本木の新国立美術館でも販売しているため、アートが好きな方やマッチのコレクターがわざわざ買いに訪れてくれています」(高橋さん)
最後にこのパッケージの絵柄、今後も増えていくのでしょうか?
「増やしていきたいと考えています。……が、生産コストが高いためになかなか難しいのが現状です」(高橋さん)
利益よりも「面白いものを作りたい!」というモチベーションが、このちびマッチを生み出しました。
(寺西ジャジューカ)