写真提供:マイナビニュース

写真拡大

昔の武勇伝ばかり話してしまう社長、自分の若いころと比べて若手を叱る部長……ためになる話もあるが、いつもきいているのはつらいという意見も多い。いったいなぜ、偉い人は昔の自慢話をしてしまうのだろうか? ゆうメンタルクリニック ゆうきゆう先生に伺った。

ゆうきゆう 精神科医・心理研究家。東京大学医学部卒業。『相手の心を絶対に離さない心理術』など心理学に関する著書は50冊にのぼる。人気漫画シリーズ『マンガで分かる心療内科』も発売中。「ゆうメンタルクリニック」総院長。ゆうメンタルクリニック/上野院(上野駅0分)、池袋院(池袋駅1分)、新宿院(新宿駅0分)、渋谷院(渋谷駅0分)

○今の自分をあまり評価できていない可能性がある

――偉い人が昔の自慢ばかりで、今の話をしないのはなぜでしょうか?

最近や今の話題よりも過去の出来事の方が、その人の中では大きくとらえられているのでしょう。

年齢を重ねたことによる自信喪失・自己評価の低下といった場合でも過去の実績に拘る傾向が見られます。また、「当時の方が精神的にも覇気があった・充実していた」という内面的なギャップを感じている場合もあります。いずれにしても今の自分をあまり評価できていない可能性があるでしょう。

――昔の自慢話をしているとき、どういった心理状態なのでしょうか?

今の自分を認めてほしい・尊敬されたい・相手より優位な立場に立ちたいといった気持ちが強くなっていると考えられます。

自信を回復しようとしたり、相手よりも強い立場に立とうとしているとき・相手に好かれたいといった時に「自分だって本当はすごかったんだ」ということを伝えようとする傾向が出てきやすいんですよ。

合コンでも気に入られたい相手に対して自慢話をしてしまう人も同様ですね。たとえば現在の地位ではなく学歴に拘っていたり、過去に就いたポジション・仕事の内容・実績と言ったものを繰り返し持ち出す場合は今の自分にあまり満足していない可能性があるのです。

――昔の話をしないようにしむける方法などで、有効なものはありますか?

話をそらすとより「尊重されていない」と感じて相手が不満を抱いたりしつこくなる可能性がありますから、最近の相手の言動や何気ないことに触れて「すごいですよね」「頼りになります」といった相手を認める言葉をかけるといいのではないでしょうか。

むやみやたらに持ち上げる必要はありませんが、否定的になるよりは肯定する形をとる方が関係はスムーズになりますし、好意的な関係が築けるでしょう。特に本人が気づいていない・認められない部分を率先して認めることで相手から味方だと認識され、過剰なマウンティングは避けることが出来るでしょう。

※画像は本文とは関係ありません

(ゆうきゆう)