スマホ普及でガラケー時代の6分1000円以上するリッチサービス ソフトバンク「おしらべダイヤル *111」がひっそり終了へ

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いまや、ちょっとした調べ物や、出先でのレストラン情報などは、スマホで調べるのが当たり前の時代だ。
スマホやタブレットで気軽に”ググれ”ば、大抵のことはわかる。

今の時代、数百円、ましてや1000円以上の料金を払うサービスで調べる人は、いないだろう。

そんな大手キャリアの公式サービス ソフトバンクの「おしらべダイヤル *111」が、ひっそりと終了する。

●専門のコンシェルジュが常駐する「おしらべダイヤル *111」
ソフトバンクの「おしらべダイヤル *111」がスタートしたのは2007年だ。

2007年といえば、米国で初代iPhoneが発表されたほか、日本では「Windows Mobile」が全盛のころだ。
世界は、まだスマホが普及する前だった。

つまり、ちょっと調べ物をするにも、いつでもどこでも「ググれ」と言えるような時代ではない。
ガラケーを使って、手間や時間をかけて何ページもスクロールして探す時代だ。

そのような時代に登場した「おしらべダイヤル *111」は、オペレーターが常駐し、「明日、関東方面で遊びに行ける場所」などという、あいまいな内容でも調べてくれるサービスだった。

●料金設定はかなり割高
「おしらべダイヤル *111」は、ソフトバンクケータイから「*111」に電話する。
すると、専用オペレーターのコンシェルジュに繋がる。
コンシェルジュに、知りたいことを伝えること、結果を教えてくれる。人が対応するので、かなり曖昧な問い合わせでも返答してもらえるのが特徴だ。さらに、SMSで結果と詳細が記載されたURLも送ってくれる。

しかし、1つ問題があった。それが料金だ。
1秒あたり3円(税別、以下税別)が、かかってしまうのだ。

さらに注意しないといけないのが、コンシェルジュが「少々お待ちください」と言って調べている間にもどんどん利用料金が課金されていくことだった。
1秒あたり3円=1分あたり180円。
普通に考えて、人に問い合わせをしている会話が1分で終わるということはありえない。
例えば
3分通話すれば540円、6分で1080円

かかる計算となる。

5,6分通話するだけで、グルメ雑誌を買ってもお釣りがきてしまうような料金が発生してしまうのだ。
さらに、通話終了後に送られてくるSMSに記載されているURLにアクセスすれば、当然パケット代も発生する。

「おしらべダイヤル *111」は、人が口頭で対応してくれる便利なサービスではあるのだが、
スマホで簡単に「ググれる」時代には、かなり割高と感じてしまうだろう。
さらに、求める回答や情報を獲られなくても、サービス料金(1秒あたり3円)は発生してしまう。
満足度の面からも割高だ。

●時代はオペレーターから音声認識へ
ガラケー時代には、有料でも専用オペレーターを配置して調べてもらえるサービスは成立していたかもしれない。

しかし、今は、スマホですぐに「ググれる」(検索)できる。
しかも、キーボードで文字入力しなくても、音声でも検索できてしまう時代になっている。
iPhoneでは、「Siri」
Androidでは、「しゃべってコンシェル」や「音声アシスト」、「Google Now」

が使える。

さすがに人間ではないため、あいまいな質問には返答しない場合もあるが、無料で使えるうえに、返答も日々賢くなっている。

スマホという便利な道具やサービスにより、3分あたり540円の時代から、音声認識で無料に使える時代に移り変わっているのだ。

またひとつ、ガラケー時代のサービスが時代遅れとなり、消えていくのだ。

おしらべダイヤル *111|ソフトバンク


布施 繁樹