【TrendDoor】ふたたび“黒”ブームがやってくる!?
 先日コンビニエンスストアのドリンクコーナーの前に立ったとき、ケースの中があまりに暗くて驚いた。いや、正確にいうと暗いではない、“黒い”だ。そこに並んでいたのはブラックの缶コーヒーから始まり、黒ウーロン茶、黒酢ドリンク、etc……。なぜか黒い飲み物がやたらと目立つ。
 しかしそうして眺めていると、商品名に“黒”がつくだけでなんとなく健康的な印象を受けるのはなぜだろうか。健康関連商品のECサイトを運営しているケンコーコム株式会社の中さんに、最近の“黒”関連商品について聞いた。

 「黒酢や黒糖を筆頭に、黒豆(黒大豆)、黒米、黒ごま、黒汁など、“黒い”健康食品はいまや大人気です。イメージ的なものだけでなく、“黒”が持つパワーが人気の裏づけになっていますね。たとえば『黒酢』は、米や大麦だけを原料に、壷の中でじっくりと1年以上寝かせて発酵・熟成させ、麹菌や乳酸菌の作用で琥珀色(黒)に色づいたもので、アミノ酸をはじめとした多くの栄養分が溶け込んでいます。また『黒豆』や『黒米』は、その黒皮に含まれるポリフェノールの一種“アントシアニン”という色素に強い抗酸化作用があるといわれてます」(ケンコーコム株式会社 PR担当 中郁乃さん)

 ひと昔前までは「健康食品=まずい、我慢して飲む」というイメージがあったかもしれないが、料理の味を深める「黒酢」や、焼酎で割っても美味しい「黒豆煮汁」など、単純に食材としておいしいものが多い。無理なく生活に取り入れられるのも人気の理由といえよう。

 実は黒という色には、黒以外の色を輝かせる効果がある。「後光効果」と呼ばれるそれに対する認識が高まるにつれ、売場に黒い冷凍ケースやフードトレイを取り入れる飲食店・スーパーなどが増えた。また、日本の伝統行事の際に使われる食器の内側は黒く塗られているものがほとんどだ。色鮮やかな伝統料理を美しく輝かす役割として重宝されていた。

 いままで黒という色は、「暗黒」「腹黒い」など、悪いものや忌まわしいものを表現するときに多く使われている色ということもあり、あまりいい印象は持たれてなかった。数年前、“ガングロ”が少女たちを中心に社会現象となったのを覚えているはず。おそらく彼女らは「アウトローへの憧れ」「日常に対する反発」という鬱屈した気持ちを吐き出すため、自分自身の存在意義を表す色に「黒」を選んだのだろう。
明暗をあらわす白と黒。この2色は美の極致ともいわれる色であり、人の心理を的確に示す色でもある。“ガングロ”のすぐあとに“美白ブーム”がきたのは、後光効果によって自分の「白」を際立たせるため、その直前まで計画的に「黒」を身にまとっていたのかも?

筒井健二

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