缶コーヒーはおいしいけれど、トイレのにおいが気になったことありませんか?(写真はイメージです)

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暑い季節は、アイスコーヒーをぐいっと飲むのが、至福のひとときだ。

不思議なのは、ブラックの缶コーヒーを飲むと、トイレに行ったときにコーヒーのニオイがすること。
ミートソースなど、食べた後にトイレが臭うと言われる食品はときどきあるが、挽いた豆でいれるコーヒーやインスタントコーヒーでは臭わないのに、ブラックの缶コーヒーでだけ臭うのだ。
これってなぜ? ブラックの缶コーヒーのメーカーに聞いてみた。

「トイレに行ったときにコーヒーのニオイがするのは、砂糖やミルクが入っていないブラックのコーヒーだからではないかと思います。弊社の製品はコーヒーの豆をたくさん使っているので、飲んだときに香りの成分がすべて体内に吸収されずに、尿と一緒に排泄され、ニオイが出ることがあります」
比較したわけではないが、おそらく砂糖やミルクが入ったコーヒーでは、それほどニオイがしないのではないかと言う。

でも、挽いた豆のコーヒーやインスタントでは臭わないけど、どういう違いなのか。一般社団法人全日本コーヒー協会に聞いてみると……。
「インスタントコーヒーの場合、スプーン〇杯など、基準が決まっていますよね。缶コーヒーの場合は、内容量100グラムに対して5グラム以上の生豆を使うことになっており、重さにするとインスタントの1.3倍くらいになるんです。ですから、使用している豆の量が多いのかもしれません」

コーヒーには、体内で分解・吸収できない香料が入っていたりするのだろうか。
「缶コーヒーは香料も使っているものが多いですが、一般的には合成の香料ではなく、焙煎豆から抽出したエキスなどの香料ですので、香料が体内で分解できないということではないと思います。それよりも、おそらく“量”ですね」
これは、ビールを飲んだ後にオシッコがビール臭くなるのと同じではないかと言う。

「昔の缶コーヒーはもっと薄いものが多かったですが、今はみんな舌がこえてきて、コーヒーの香り・風味を大事にしている人が多いですよね。そのため、豆をしっかり使う商品が増えており、体内に取り込まれるコーヒー豆の量も増えていることはあると思います。また、こうしたケースは夏に起こりませんか? 飲みすぎもあるんじゃないかと思いますよ」
確かに自分の場合、ブラックの缶コーヒーを飲む機会は、圧倒的に夏場が多い。それでいて、毎朝&昼食後のコーヒーはホットと決めていて、さらに何度かアイスコーヒーを飲んでいるので、トータルのコーヒー摂取量が増えることもあるのかもしれない。
近年はコーヒーの健康効果が提唱され、「1日〇杯まで」など、様々な説があるが、いずれにしろ、どんなものも飲み過ぎ・食べ過ぎは禁物だ。

コーヒーを飲んだ後にオシッコがコーヒー臭くなるケースは、飲料メーカーのウェブサイトのQ&Aなどでも書かれていることがあるように、身体に害はないようだが、ともかく飲み過ぎにはご注意を。
(田幸和歌子)