韓国の朴槿恵大統領の訪米に同行した際、在米韓国大使館のインターン(実習生)の女性をセクハラしたとして更迭された尹昶重(ユン・チャンジュン)元大統領府報道官が、韓国メディアに対して関連記事を削除するよう圧力をかけていたことが分かった。

韓国メディア「ニューシス」によると、尹氏は11日午前2時-3時ごろ、ニューシスに直接電話をかけ、10日夜に報じられた記事「尹昶重、ニューヨークでもインターン女性に『酒を飲もう』」を削除するよう求めた。

現在騒動を巻き起こしている更迭の原因となった尹氏のセクハラ行為は、7日夜ワシントンで発生したものだ。しかし、記事が報じた内容は、それよりも前、米国に到着した当日夜(5日)に起きたセクハラ騒動だ。

記事によると、尹氏は5日午後に朴大統領と共にニューヨークに到着。その日のスケジュールを終えると、ニューヨーク総領事館のインターンとして働いていた女性に対してホテルに酒を注文するよう頼み、その後で自分の部屋に来るよう命じた。

女性の知人は、ニューシスに当時の様子についてこう説明した。

「大統領府の報道官が、酒をルームサービスで注文するという簡単な英語もできないのかと意外に感じた。でも、酒を一緒に飲もうという言葉を聞いて、女性はこれは違うと感じて丁寧に断ったそうだ」「女性にしてみれば、立場の高い人の言葉を拒絶することは難しい。もし一緒に一杯飲んだとしても、大統領府の報道官が品位のない行為をするなんて想像もしないだろう。結果的には(女性の判断は)懸命でとても良い身の振り方だった」

また、この女性は、9日にワシントンで尹氏がセクハラ問題を起こしたと報じられた際、大きな衝撃を受けていたという。

尹氏の抗議は、このようなニューヨークでの出来事を報じた記事に対するものだった。ニューシスによれば、尹氏は「私はニューヨークで1泊2日したが、その間は酒を飲まなかった」「(記事の内容は)事実無根だ。(記事を取り消さない場合)必ず法的な対応をする」と激しく抗議したという。

韓国メディア「京郷新聞」も11日、ニューヨークの出来事について報じた記事を取り消すよう、尹氏から電話があったことを明かしている。

・参照:ニューシス
・参照:京郷新聞

■【韓フルタイム】とは……
【韓フルタイム】とは韓国に特化した情報を提供する媒体です。
韓国に詳しい専門の日本人記者が取材、執筆を行っております。