中国人は日本に対して「お辞儀(じぎ)が好きで、礼儀を重んじる国」との印象を持っている。中国人男性の如日中天さんはこのほど、日本とは対照的に中国の礼節が嘆かわしい情況になっていると自身のブログにつづった。

 筆者は冒頭で、日本人は相手が友であっても敵であっても同じようにお辞儀をするが、日本ではどのように礼節が形作られ、受け継がれてきたのだろうかと疑問を呈した。

 中国は改革開放以来、さまざまな分野で「天地がひっくり返るような変化が生じた」が、「ありがとう」や「ごめんなさい」といった言葉が普及したのは良い面としながらも、利己的かつ自己中心的な態度が一般的になり、「勇敢に正義を貫くことは愚かなことと見られるようになった」と嘆いた。

 さらに、1980年代から中国社会に広がった売春や薬物について、「今や国家をむしばむ病のようだ」と表現し、役人の腐敗も「まるで家いっぱいに増え広がったハエのようだ」と嘆く。何が道理で、何が道徳かを決めることすら「すべて金で解決できると考えている」と非難した。

 筆者は、夜に扉を閉めなくても心配する必要がなかった昔の中国社会を思い出しながら、「あのころはみなが素朴だった」と懐かしむ。現代の裕福な中国人は当時の貧しい中国人のことを「愚か」と言うかもしれないがと前置きしつつ、筆者は「今の道徳の欠けた社会はどうなのだ」と訴えた。

 筆者は、日本人が1000年以上も礼儀を重んじる文化を守り続けてきたことと対象に、中国は「わずか数十年で道徳を失ってしまった」と嘆いた。(編集担当:畠山栄)