東北関東大震災への募金をめぐり、日本ユニセフ協会(東京都港区)の方針が話題となっている。同協会は「当緊急支援に必要な資金を上回るご協力」があった場合、「他国での自然災害などによる緊急支援に活用させていただくことがある」とことわっている。この情報が断片的にインターネット上で紹介され、「おれの募金はアフリカへ行くのか?」などとちょっとした騒動になっている。

   日本ユニセフ協会は、2011年3月16日付で協会サイト内に「東日本大震災(東北関東大震災)への、日本ユニセフ協会ならびにユニセフの対応について」という文書を掲載した。

「被災者のための募金がアフリカに」

   同協会によると、通常行っている募金は、主に開発途上国の支援活動に使われているそうで、国内の緊急支援活動を実施するのは、1959年の伊勢湾台風以来だという。

   3月16日の文書では、今回の大震災への募金を受け付ける口座を設置したことを報告し、「こちらでお預かりした募金は、全額、子どもたちを中心とする被災者の方々への支援に活用させていただきます」としている。

   この後ただし書きが続き、「なお、当緊急支援に必要な資金を上回るご協力をいただいた場合(被災者の皆さまへの支援が行き届き、ユニセフと日本ユニセフ協会が提供できる内容の支援が被災地では必要ないと判断される場合)ユニセフが実施する他国・地域での紛争・自然災害などによる緊急・復興支援に活用させていただくことがありますので、ご了承願います」とことわっている。

   このただし書き部分が断片的にネット上に伝わり、ツイッターや2ちゃんねる、個人ブログでは、「義援金は全額使わず、アフリカとかに回す」「被災者のための募金がアフリカで使われる」などの反発が相当数出ている。「『これ以上被災地に必要ない』って誰がどういう基準で判断するんだ?」という疑問の声もある。

「どこが問題なんだ?」の声も

   一方で、「(日本ユニセフ協会方針の)どこが問題なんだ?」「嫌ならほかの団体に寄付すればいいだけの話」といった「擁護論」もある。「(他国支援へ回す可能性は)募金活動開始直後に言うのではなく、状況が少し落ち着いてからにすれば良かったのに」という指摘もあった。

   J-CASTニュースは3月20日、日本ユニセフ協会に何度か問い合わせてみたが、連絡が取れなかった。

   日本ユニセフ協会は現在、赤松良子・元文部大臣が会長を務めている財団法人だ。同協会サイトによると、「ユニセフ(国連児童基金)の趣旨に則り、児童の福祉増進に寄与するため(略)国民による国際協力の実施を促進すること」を目的としている。また、「あくまで国内の組織で、国連組織ではない」とも説明している。1977年、正式にユニセフの(日本)国内委員会として認められたという。

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