世界には、日本にまつわる信じられないうわさが、星の数ほどあります。日本文化を笑った冗談、ひどくエッチな流言、政治的なデマ...。外国人は、そうしたうわさを語り継ぐことで日本人に対して親近感や嫌悪感を覚えていきます。実際にどんなうわさがあるのでしょうか。

 たとえば次のようなものです。

 あるアメリカ人いわく、「日本は世界でも稀に見る清潔な国である。道路にゴミ一つ落ちていないし、レストランやホテルは輝くばかりに磨き上げられている。こんな完璧な国は類を見ない。しかし、これは法律のおかげなのだ。日本人は『朝の9時から夜の9時まで町をきれいに保たなければならない』という法律に従っているだけなので、夜9時以降になると、それまできちんとしていたサラリーマンが突然街中で酔っぱらって嘔吐したり、痴漢したり、女性がパンツ丸見えで泥酔したりするようになる。立小便が解禁になるのもこの時間だ。法律が無効になった途端に、醜い本性をさらけ出すようになる」

 あるフィリピン人いわく、「日本からフィリピンに来る会社員たちは、運転手つきの車を貸し与えられ、高圧電流に囲まれた邸宅で暮らし、二年に一度新しい社員と交替で日本に帰っていく。実は、これ、すべて日本の会社が日本人サラリーマンを墜落させないために行っていることである。日本人サラリーマンはフィリピンに来ると、すぐに現地の若い女性にはまってしまい、会社のお金を何百万ドルと横領して貢いでしまう。これでつぶれた日本企業は一つや二つではない。そのため、日本の企業は運転手を雇って日本人サラリーマンの監視をさせ、夜は高圧電流で屋敷から外に出られないようにし、二年という期限をつけて女性に溺れる前にさっさと日本に帰国させているのである」

 これらのうわさを見ると、外国人の目に日本人がとんでもない姿に映っていることがわかります。他にも「日本人は洋服が透けて見える眼鏡を開発したらしい」「日本の男は痴漢をしたくなったら地下鉄へ行く」「日本に到着したら、やってはならないことが三つある。1.パチンコをしてはいけない。2.小指のない男に逆らってはいけない。3.自転車に乗ってはいけない。」と、様々だ。

 作家の石井光太氏の著書『日本人だけが知らない 日本人のうわさ』では、こういった信じられない日本人のうわさが紹介されています。私たち日本人がどのように見られ、語られ、描かれているかを探ったものです。世界でうわさされる日本のイメージを直視することが、日本人のアイデンティティを考えることにもなります。そして、それはあなた自身に向けられた視線でもあるということも、忘れてはいけません。



『日本人だけが知らない 日本人のうわさ 』
 著者:石井光太
 出版社:光文社
 価格:882円
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