順調に進んでいる人生も、突如、家族や肉親の死によって打撃を受けることがあります。誰しもしばらくは喪に服す期間がありますが、いつまでも悲しみに打ちひしがれているわけにはいきません。

 とは言うものの、「あの時、ああすればよかった」「こうすればよかった」と悔やんでも、悔やんでも、悔やみきれないことがあります。私もそうですが、照れくささや素直になれない性格、または人間的未熟さから、相手が生きている時には、心にもない暴言を吐いたり、反抗的な態度をとったり、傷つけたりします。そして相手が死んでから、毎朝仏壇に手を合わせて話しかけたり、立派なお墓を立てる人が大勢います。なぜ、生きている間に、優しい言葉をかけてあげなかったのか。この愚かさが人間なのでしょう。

 だから、世界のできる男達は感心するほど生きている者を愛し大切にします。「死者は天国で神様が見ていてくれるさ」と言って、それほど頻繁に墓参りもしません。墓地に行かなくても、いつも心でつながっていることを彼らは知っているのです。

 いつまでも悔やんで自分を責めてばかりいては、死者も浮かばれないのです。私はそれほど高尚な人間ではありませんので、母を亡くして3年間、毎日悔やんでいました。それを見かねて、友人のユダヤ人大富豪がこう言ってくれました。

「キミの怒りと後悔の感情を、建設的に事実に向けなさい。さぁ、一緒に考えてみよう。『あの時、ナースがもっと早く飛んできてくれたらよかったのに』は非難と怒り。『もっと、母にやさしくしてあげればよかった』は反省と後悔。『母をいつも心配させていた兄弟が許せない』は怒り。『もっと、頻繁に実家に帰って一緒に時間を過ごせばよかった』は無念」

「次にこれらの感情を建設的に事実へ向けてみよう。『死は誰にでも訪れるもの』は事実。『母が自分を生んで育ててくれた』は事実と感謝。『母は苦しみから解放されて、魂は神のもとに召された』は事実と喜び。『兄弟も母の死後、残された父に対して優しくなった』は事実と許し。『この3年間、ずっと私を見守り支えてくれた夫がいる』は事実と感謝。このようにして、事実に目を向け、許しと感謝の気持ちを持つことにより、悲しみを超えて成長するのだよ」


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