ロナルド・クーマン前監督が20日、オランダのテレビ番組内でバレンシアを批判し、再び波紋を投げかけている。4月21日にバレンシアの監督を解任されて以来1ヶ月ぶりに沈黙を破ったクーマン前監督は、「バレンシアとの契約は失敗だった。PSVアイントホーフェンでの立場も危うかったし、指揮を執るためには他に選択肢がなかった」と後悔の念を明らかにした。また、彼の批判はMFホアキンにも及び、「3000万ユーロ(約48億円)を費やして獲得した選手だが、彼は30ユーロ(約4800円)分のパフォーマンスしか出ていなかった」とバッサリ切り捨てた。

 クーマン前監督とホアキンが緊迫した関係にあったのは事実。スペイン国王杯での2試合でホアキンをフォワードで起用したことも含め、就任当時からホアキンをあまり信用しておらず、国王杯決勝でも60分間アップをさせたあげく、出場させなかったという経緯もある。

 クーマン前監督の批判を受けたホアキンも黙ってはいない。「クーマンは人を見下すような人物だった。彼には面と向かって何かを伝える勇気がなかったんだよ。僕への接し方や、僕を下部組織の一選手のように扱うことは理解できないって彼には伝えた。クーマンは僕が言った全てに理屈できり返してきたんだ。彼には論証がなかったからさ。就任して以来、僕をイライラさせようとしてたんじゃないかって思うね」と応戦。さらに、ユーロ2008のスペイン代表メンバーから外れたことについても「僕がユーロに行けないのは全てが全て彼の責任じゃない。でも99%はそうだよ」と恨みを込めた。

 クーマン前監督は選手らに別れの言葉を告げることなく去っていったという。クーマン前監督のバレンシアでの5ヶ月間は彼にとってもバレンシアにとってもメリットはなかったということだろう。ピッチ内外でゴタゴタが続いた2007-08シーズンはバレンシアにとって一刻も早く忘れたいシーズンなのだが、思わぬところで口撃を受けるかたちとなってしまった。

(スペイン通信)

ホアキン・サンチェスホアキン・サンチェス(Joaquin Sanchez)


生年月日:1981/07/21
所属   :バレンシア
国籍   :スペイン
ポジション:MF