カンプ・ノウのファンの目は厳しく、チームに対する要求度も高い。内容が悪ければ、勝っていてもブーイングをする。それはチームの選手に対しても同じ。不甲斐ないプレーをする選手には容赦なくブーイングを浴びせる。そして、日曜日のラシン戦では今シーズントップチームに上がってきたばかりのジオバニ・ドス・サントスの自己中心的なプレーに対しファンは口笛を吹いた。自分のチームのファンからのブーイングは選手にとって堪える出来事でもある。

 しかし、バルサの18歳は、ライカールト監督から与えられたチャンスを活かし続けていきたいと語り、「ゴールを決められないことを気にしているだって、僕はフォワードだし、ゴールを決めるのが好きなんだ。でも、重要なのはチームが勝つことだよ」と気持ちの強さをのぞかせた。

 チームメイトのボージャンは「ジオは自分のチャンスをしっかり活かしているし、批判も気にしないと思う。冷静な選手だからね」、そしてイニエスタも「ファンは要求が高いし、ジオのように自分のチームの選手には特別な愛情があるんだ。それに、彼だけがブーイングされたとは思わないよ」とジオバニを擁護。

 ジオバニのようにカンテラ出身の選手に特別な愛情を持つバルサファン。チームの選手に対するブーイングは愛情と期待の表れである。手痛い洗礼を受けたジオバニだが、この悔しさを今後の糧としてその持ち味を活かしながら成長していくことだろう。

(スペイン通信)