セリエA第5節でASローマと引き分けたフィオレンティーナ。これまで2勝3引き分けと無敗を続けている。その原動力のひとりがフランス人GKのセバスチャン・フレイだ。フィオレンティーナは昨シーズンもセリエAでもっとも失点が少なかった。フランスのレキップ紙も、イタリアでの株がますます上がっている、とフレイの活躍に注目し、インタビューを掲載した。

 同紙は、フレイの充実ぶりの秘密を“身体と心”の管理にあると見ている。フレイは「ディスコには決して行かないよ。きょう(ASローマ戦の前日)は午後1時まで寝た。先週末はシチリアへの移動で疲れ、眠る必要があったと思ったから。何事もいい加減にはしないんだ。疲れたと感じたら最大限に休む、身体にはこれが必要なんだよ」と話した。

 心の面では、仏教徒になったことが気持ちの落ち着きをもたらしているという。昨年1月にヒザに重傷を負って不安に苛まれたとき、ロベルト・バッジョの勧めで入信した。

 これまで “異端児”というイメージが定着していたことについては、「18とか19歳のときについたイメージを長く引きずっていた。でも最近は、自分がそうじゃないことを人々も理解しはじめてくれているようだ」と語る。

 とはいえ、無邪気な面も残している。「本を読むのは好きじゃないんだ。仏教に関する雑誌を読む以外は、いまでも“キャプテン翼”(フランス語のタイトルは“オリーブとトム”)や“ドラゴンボールZ” を息子といっしょに観ているよ。キャラクターグッズも集めているんだ」と飾り気のないところを見せる。

 こんなふうに言えるのも、「自分が男になった」と感じられるようになったからのようだ。「これが自分がもっとも誇りに思えることだ。簡単だったことなど何もない。何ひとつ。だからといって、自分が不屈の男だなんて言うつもりもないよ。また自分と違うイメージがついてくるからね。物を言うべきなのは、この手だ」と結んだフレイ。大選手の風格が身についてきたのを感じさせる。