米国発謎の「宗教団体」 日本で大キャンペーン
2007年01月13日18時02分 / 提供:J-CASTニュース
「Power For Living」という宗教関係の本を無料提供する、という大キャンペーンが始まっている。有名人を「広告塔」に、テレビのCMや大手新聞の全面広告をバンバン打ち、「いったい何か」と一般人を惑わせている。仕掛けているのは、米国のアーサーS.デモス財団という謎の団体だ。なにせ、本家アメリカのマスコミすら究明できないほどベールに包まれているのだ。
広告に日本ハムのヒルマン監督を起用
「世界中の何百万人もの人生を変えました」という触れ込みの「Power For Living」。この本には「あなたは神様にとって特別な存在です」「人間は誰でも心の中には、神様にどうしても頼らざるを得ない、小さな子供が潜んでいるのです」などということが書かれている。
10億円以上も投入されているという広告は、2007年1月7日から本格的に展開された。北海道日本ハムのヒルマン監督、フィギュアスケートのジャネット・リン元オリンピック選手など4人の有名人を「広告塔」として起用している。
テレビでは、「アメリカの慈善活動非営利団体として設立され世界各国で『Power For Living』を無料配布しています」というテロップが流れ、ヒルマン監督のCMバージョンでは、「私を幸運な男だという人もいる(中略) 少年時代。私が神を信じた時から、どんな試練も苦しいと感じたことはなかった」と語りが入り、申し込みのフリーダイヤルが表示される。ネットで申し込むこともできるが、本を申し込む場合には住所や電話番号という個人情報が財団に渡ることになる。
アーサーS.デモス財団とはいったい何なのか?米国の「タイム」誌が1999年12月8日号で特集した記事によれば、創始者はダイレクトメールを使った個人向けの生命保険、健康保険で大儲けしたアーサーS・デモス氏。設立は1955年となっている。
「我々はカルトではないが、何者であるかは言えない」
1979年にデモス氏がある牧師に「キリスト教の伝道を始めたい」と相談する。しかし、牧師は「宣教師はたくさんいるから、宣教師を支えるカネを持っている人が必要」とアドバイス、これが裏舞台での宗教活動を行うきっかけになった。
タイム誌記者が財団に電話取材すると「我々はカルトではないが、何者であるかは言えない」と言われた。さらに取材を申し込むものの「自分達を広報しないのが伝統だ」というファクスだけが来て、結局は「謎」のまま記事は終わっている。現在はキリスト教保守派(右派)の立場で、中絶反対、ポルノ反対、同性愛反対などの運動を強固に展開。さらに、現ブッシュ大統領の当選にも貢献したとされている。
ブログや掲示板を見ると、CMに不快感を訴えたり、反発する文章ばかりが目に付く。
「なぜ名前と住所が必要なのだ?」J-CASTニュースは、今回の広告を担当したマッキャンエリクソン日本法人に取材を試みた。
「目的がよくわからないんですよ。本貰ってどうなの?」
「どんな団体かも明かさずにCMするのはキモイ。まあ、正体を隠して活動する連中にろくなのはいないよ」
「キリスト教原理主義とは一言で言うと聖書に畫かれている事は全て正しいとする考え方である(中略)こんな厄介な人達が作ったCMが神の國日本で流れている」
「私どもは何も言えません。Power For Livingのメディアコールセンターに問い合わせてください」
同社広報に電話番号を聞いて電話したところ、
「ここはプレスキットの郵送を受け付けるだけで、質問などに答えられる場所はどこにもありません」
だった。
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