キリオスに約245万円の罰金と賞金没収。対戦相手は「半年は出場停止処分を受けるべき」[ATP1000 ローマ]

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16日の「ATP1000 ローマ」(イタリア・ローマ/5月12〜19日/クレーコート)2回戦で、ニック・キリオス(オーストラリア)は試合を途中放棄してコートを去った。カッとしたキリオスは、コートを出て行く際に赤いクレーコートに椅子を投げ飛ばし、それによって罰金を科せられることとなった。

彼の対戦相手で勝ち進んだキャスパー・ルード(ノルウェー)は、その処分は甘いとし、キリオスは6か月以上出場停止とされるべきだと語った。


一方ロジャー・フェデラー(スイス)は、キリオスはもう十分な処罰を受けたと考える。


フェデラーは「キリオスは出場停止の処分を受ける必要はないと思う」と語る。


「彼はコートから出て行った。それから何をしたか?椅子を傷つけた?それが出場停止処分になるだけの理由になるとは僕には思えない。キリオスが上海マスターズでの一件で執行猶予になっているのかどうかは僕は知らない。もしそうなのであれば、明らかに処分の対象になるかもしれない。でもあれが単なる成り行きであったのなら、彼は出場停止処分を受ける必要はないと思う」


最初、キリオスはラケットを地面に叩きつけ、ペットボトルを蹴飛ばした。そして白い椅子を持ち上げて右手でコートに放り投げた。


大会側によると、キリオスは33,635ユーロ(2019年5月19日現在で約410万円)の賞金とATPポイント45ポイントを失うことになるという。


ATP(男子プロテニス協会)によると、キリオスはさらに、試合中に行った3回のスポーツマンらしからぬ行為に対して2万ユーロ(2019年5月19日現在で約245万円)の罰金も科せられ、トーナメント中の選手たちに対する待遇経費も自己負担させられるという。


「ゼロポインター、罰金、その他、もうこれで十分だと思う」とフェデラーは言う。「彼はもう間違いを犯したことはわかっているからね」


対戦相手だったルードは、いろいろな選手たちがキリオスの出場停止期間の長さについて議論していると述べた。


「このところ、彼は何があっても変わろうとしないようだ」とルードは言う。「ATPは何とかすべきだ。少なくとも半年は出場停止処分を受けるべきだと考えているのは僕だけではないのだから」


コートを出る前に、キリオスはルードと主任審判と握手をした。


キリオスは自身のInstagramアカウントに「非常に色々なことのあった一日だったのは確かだ」と書いた。「感情をコントロールすることができなかったし、今日は試合の雰囲気が異常な感じだった。ローマの皆さん、ごめんなさい。また戻ってくるよ、多分ね」


試合を途中放棄する前、キリオスはボール・アビューズの警告を受け、その後スポーツマンらしからぬ行為として1ポイント減点され、さらなるスポーツマンらしからぬ行為により1ゲームを失った。


ルードは「彼(キリオス)はファーストサービスとセカンドサービスの間に誰かが歩いて入ってきたことに腹を立てていた」と話した。「その後ますます頭に血がのぼっていた。彼は気持ちのままに好き勝手なことをする。当然の処分だと思う」


トップランクにつけているノバク・ジョコビッチ(セルビア)はATPの選手会長を務めているが、キリオスの出場停止処分の是非については「ノーコメント」とした。


「役員たちなど、他の人たちが決めることです」とジョコビッチは言う。


(C)AP(テニスデイリー編集部)


※写真は「全豪オープン」でのキリオス
(Photo by Quinn Rooney/Getty Images)