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●楽曲披露では決め、トークでは笑わせ――変幻自在のステージング

声優・立花理香2ndライブ「立花理香 2nd LIVE 〜colorful mixer〜」が2月16日、Zepp DiverCity(Tokyo)にて開催された。

タイトル通り、声優・立花理香の2ndワンマンライブであるこの日のライブは、様々な立花のアイデアや意向が盛り込まれた、ファンと一緒に楽しみ盛り上がることを大切にしたものとなっていた。本稿では、そのうち第1部の模様をお届けする。

○●シリアスなデジタルチューンで、ファンを惹きつけた冒頭4曲

EDM調のオープニングSEが流れ、赤と青のライトがステージを照らすなか、ステージ中央に立花が登場。アーティストデビューを飾ったミニアルバムのリード曲「REALISTIC」で2nd LIVEの“初めの一歩”も踏み出す。

手の魅せ方などダンスの美しさは1st LIVEから変わらない一方で、歌声の力強さは増したような印象を与え、情熱的なダンスナンバー「赤いアネモネ」では曲名通り真っ赤に染まったフロアに向かってメロディに合わせてのフロアへの指さしやサビの腰使いなど、セクシーさの強いパフォーマンスを披露。

間奏でそのフロアに背を向けたダンスなど、楽曲にマッチした情熱的な一面も見せていく。また、続く「KOTO-DAMA」でも、歌声は強くダンスは滑らかにパフォーマンス。Bメロからサビへ移る部分で指でフロアをさらったり、2サビ明けにはマイクをフロアに向けて挑発的な視線を送ったりと、前2曲と同様にフロアを意識した部分が多かった。

そして前半のシリアスなダンス曲ゾーンを締めくくったのはシリアスなデジタルチューン「Flaming Rose」で、サビでの腕の取り回しなどの華麗さは健在だが、「REALISTIC」同様に歌声の力強さが増した印象。1st LIVEでのパフォーマンスから、またひとつ脱皮したような印象だ。

こうしてアーティストとしての成長を感じさせたところで、ライブ直前にリリースされた1stシングル「カラフルパサージュ」のMV撮影のオフショットVTRの上映を挟み、「Shining Memory」のイントロとともに衣装チェンジした立花がステージに登場。「まだまだ盛り上がっていこうぜー!」との声とともに、底抜けの笑顔でステージに舞い戻った彼女の歌声は一気にガーリーなベクトルへと振り切れ、ポップなデジタルチューンをキュートに歌い踊っていく。

○●ガラリと色を変え、キュートさと切なさを見せる中盤

5曲歌ってようやくの初MCだったが、この日も「よかったー!人が来てくれたー!」と冗談っぽく口にするなど実に喋りは軽快。身長の低い自身ならではの感覚から来た椅子出しの要望が通ったことへの感謝も語っていた。

そして「ピンクのかわいい衣装にちなんだ、かわいい歌を!」との言葉に続いて、キュートな振付も交えた「marguerite」へ。笑顔でステージ上を歩きながら歌唱していく立花、1サビ明けにはクラップを煽りながら「Foo!」と声を上げるなどしつつフロアを引き続き巻き込めば、キュートな中にポップさもさらに加わった「Brand New」では指を回し、フロアのペンライトを回す回す。

後奏中にステージから消え「Say Goodbye」の頭サビを袖から歌い、白いドレスに早替えして登場して切なげな表情で清涼感あるボーカルを響かせていく。この曲はダンスはなく歌に集中した楽曲となっており、大サビの感情のあふれ具合も含めて確かなボーカルのレベルUPを感じた1曲でもあった。

なのに、曲が終わると「はわわ!色が変わっているー!」とわざとらしく衣装について触れる、この緩急を活かした自由なさまが、実に彼女らしい。また、このMCでは開演前のBGM選曲についての裏話も披露。公式Twitterで募集した“色”をテーマにした楽曲・アーティストのカバーリクエストの中から自身の選曲で組んだものだと明かすと、そのなかで流されなかったSMAPの「オレンジ」をこの場でカバー。間違いなく名曲であるこの曲を、しっとりと歌っていく。

気持ちの盛り上がりもあったのか、大サビの歌声には切なさが強く強く表れ、曲ラストの「さよなら。」のファルセットも実に切ないものに。しかもこのあとに続くバラードゾーンの中にあってもなじむ、ライブ自体から浮かない絶妙な選曲でもあった。

曲明け、自ら作詞した最新シングル「カラフルパサージュ」のカップリング曲「緑の時計」について、「立花さんが作詞すると、何か面白い仕掛けが毎回……」と切り出し、歌詞の中に“春夏秋冬”の季節を織り交ぜた、と明かす。そして歌われた「緑の時計」は、フロアがグリーンに染まるなか、スーッとした歌声の魅力が生きる美しいバラード。それでいて直前に「エモみのある」とも語られたようにDメロなど歌声に感情も強く乗る部分もあり、ただのきれいなだけの曲に終わらせてはいなかった。さらに、ゆったりとしたスローバラード「flowery night」ではそのボーカルは丸みを伴ったものに。そうして聴き手を包み込むように、視線を空に向けたりフロアをチラッと見やりながらこの曲を歌い切る。

●アツくアガりつつも、本編締めくくりは聴かせるナンバーで

ここで「カラフルパサージュ」MV撮影オフショットの後半が上映され、その「カラフルパサージュ」からライブ終盤戦がスタート。タイトルに沿うように色とりどりの光がフロアを埋め尽くすなか、このポップかつ温かみのあるナンバーに、立花が歌声でかわいさを付加していく。

また、2-Aメロでは上手お立ち台上で歌詞通りパラソルを開き、くるくると回すパフォーマンスも披露。そのパフォーマンス自体もかわいらしさが感じられるものであり、しかもイエローのポップな衣装ともよくマッチするものだった。さらに2サビ明けにはそのパラソルを畳んで立てて軸にして、跳ねながら周回するようなステップも披露してみせ、最後は虹色のグラデーションに染まったホリゾントのなか、逆光を浴びながら締めくくった。

さて、ライブも終盤へと突入。立花自身も少々ヒートアップしていたのか「水もしたたるいい女」との言葉に続けてタオルを手にすると、「季節外れですけど、夏い曲歌っちゃいますか?」との前振りから場内を煽る。

歓声を受け「声がちっちぇーぞー!」とシャウトして「MY SWEET UNIVERSE」からラストスパート!飾り立てないナチュラルな姿でステージを楽しくエンジョイしていき、突然2サビのラストに歌詞になぞらえて「走りに行くよー!」とフロアに降りて通路を駆け抜ける!そのまま客席後方に用意されたサブステージで大サビを披露し、最奥を最前に変えて場内全体をこの1曲で、思い切り楽しさの渦へと巻き込んでいった。

そして「まだまだ“アレ”を回したいと思います!」との言葉に続いて、“寿司”が裏テーマの自作詞曲「TUNE UP」へ。イントロ中に再びメインステージへと駆け戻ると、フロアに対してクラップを要求したり煽ったりと引き続き楽しそうにこの曲も披露。タオルを回しながらハッピーなステージングを続ける彼女の心の内が現出したのだろうか、ここにきてさらに歌声のまっすぐさが増したような印象も受けた。

「ごちそうさまでしたー♪」のひと言で楽曲を締めくくると、ここまでのライブを振り返り始める立花。その中で、「MY SWEET UNIVERSE」からの演出も立花自身の意向から実現したものだと明かされる。

そして紳士・淑女的なファンが誰も触らずに協力してくれたことへの感謝を述べ、「次回もよろしくお願いしまーす!」と、ちゃっかりスタッフへのお願いも忘れていなかった。そして「最後は心をこめて、次の色をお届けできたら」と語り、「gradation」を歌唱。

こちらもこのタイトルのライブのラストにうまくハマるナイス選曲だ。最後に置いたこのミドルバラードで再度歌に注力することで、ライブ本編を美しく締めくくった立花。ここで彼女はステージを降りたが、時とともに色を少しずつ変えていくライトがフロアを照らすなか、場内にはアンコールを求める声が響き続ける。

○●この冬掴んだあらたな魅力を、2年目への第一歩に

その声に応えて、立花がステージに登場。「カラフルパサージュ」が主題歌に起用された『雨色ココア sideG』になぞらえ、「雨にちなんで水色のグッズを作った」とライブグッズの裏話も明かしていく。

そしてデビューからの1年を振り返って「ホントこの1年いろいろあった!」と語り、「皆さんにお越しいただいて、そこで歌わせていただけるのはありがたいし楽しい」と続け、「もしよかったら、引き続き一緒に遊んでいただけたら!」とまとめ、2年目へと進んでいく。

その第一歩としてアンコールで歌ったのは、改めての「カラフルパサージュ」。再び灯ったフロアの色とりどりの輝きを前に、そして白黒から色を得たライブロゴを背負いながらの歌唱だ。

フロア中に向けて、くまなく手を振りながら歌っていく立花。感謝と楽しさを表しながら一緒に楽しむラストナンバーとなった。2サビ明けには「ほんとにほんとに、カラフルな景色をありがとう!」と改めて礼も口にしつつ、ライブを締めくくった。

歌唱後には、ファンをバックに記念撮影。「(UPされた写真を見て)『これ俺ー!』ってマウント取ってください。それに値するアーティストになれるよう、そしてもっともっと楽しい時間を届けられるように頑張ります!」との言葉と投げキッスとともに、ライブを締めくくったのだった。

1st LIVEと比べて、新曲こそ「カラフルパサージュ」収録の2曲のみだったものの、だからこそそれぞれの楽曲のボーカルの面でよりいっそうの成長を感じることのできた今回の2nd LIVE。加えて、変わらぬ自作詞曲への創意工夫や趣向を凝らした客入れBGMなど、本当にライブの隅々にまで遊び心を織り込んで“一緒に遊んで”くれた。

この冬、「カラフルパサージュ」でポップで温かいナンバーというあらたな魅力を獲得した立花は、次はどんな色を私たちに見せてくれるのだろうか?すでにリリースが決定しているTVアニメ『ノブナガ先生の幼な妻』ED曲「Returner Butterfly」をはじめ、これからも彼女と一緒に音楽を楽しみ続けていきたい。

○●“立花理香 2nd LIVE 〜colorful mixer〜”第1部

【SET LIST】

M1.REALISTIC

M2.赤いアネモネ

M3.KOTO-DAMA

M4.Flaming Rose

M5.Shining Memory

M6.marguerite

M7.Brand New

M8.Say Goodbye

M9.オレンジ(SMAP カバー)

M10.緑の時計

M11.flowery night

M12.カラフルパサージュ

M13.MY SWEET UNIVERSE

M14.TUNE UP

M15.gradation

EN1.カラフルパサージュ