厳しい寒さが続く今日この頃、朝の布団からなかなか出られないのは記者だけではないだろう。上野動物園(東京・台東区)のとある動物も、そうした気持ちは同じらしい。

ブランケットを頭からすっぽり被った姿を披露するゴリラが、いまインターネット上で可愛すぎると話題になっている。


以下画像は、(公財)東京動物園協会提供

いったいなぜゴリラがブランケットを――。Jタウンネットは上野動物園で長年ゴリラの飼育に携わってきたスタッフに話を聞いた。

「布を被るのが好きで...」

「寒いからブランケットを被っているのではなく、布を被るのが好きで、四季を問わず被っているんです」

Jタウンネット編集部が22日、上野動物園で長年ゴリラの飼育に携わっていた現・教育普及係の今西亮(いまにし・りょう)さんに話を聞いたところ、意外な返答があった。

話題となっているゴリラはメスの「ピーコ」(1970年2 月生まれ)。93年に広島の安佐動物公園から上野動物園に移動してきた。広島にいた頃から布を被るのが好きだったという。

「(上野動物園に来て)最初の2〜3年は麻袋を被っていたんです。来園者の方から赤い布のご提供があって、『ピーコもメスだし』と試してみたら、それからずっと被るようになりました。以前、赤と青の布のどちらを取るか試したことがあるのですが、(ピーコは)赤を取りましたね(笑)」

職員にも余った布があったら提供してくれるようお願いし、汚れたら、取り換えているという。頭から被ったり、肩にかけたりするのが好みだそうだ。


赤い布を好んで被るピーコ

「(布に関しては)ほかのゴリラも好きですね。ただ、ピーコは昔から特に好んでいました」

と、今西さん。上野動物園に8頭いるゴリラの中でもピーコは一際布好きのようだ。そもそも、ゴリラ自体寒さに弱いものなのか聞いてみると、

「そんなに強くないですね。ゴリラも鼻を垂らしたり、熱を出したりします。(寒いときには)ピーコも重ね着をしますよ。最年長ですので、結構労わらないと」

と、今西さんは我が子のことのようにピーコについて語ってくれた。


たまには青い布を被るときも

布好きなピーコ。これからもお気に入りの布を頭から被りながら、四季を問わず訪れた人を和ませてくれそうだ。