西野監督が、渦中の“ポリバレント”について言及した【写真:Getty Images】

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初日に会見でのフレーズを弁明「ポリバレントではないから外したというわけではない」

 5月21日に始まったロシア・ワールドカップ(W杯)を目指す日本代表候補合宿。

 30日に行われるガーナ戦を含めて、西野朗新監督が選出したメンバー27人の見極めに主目的が置かれる。選出で議論が起きたのは、FW中島翔哉(ポルティモネンセ)の招集外だ。メンバー発表会見で指揮官は落選理由を「ポリバレント性」だとしたが、トレーニング後にそれについて説明している。

 初日のトレーニングに参加したのは海外組の10人。約1時間半のトレーニングでは軽いランニングやパス回しなどを行ない、まずはコンディション調整といったところだった。

 それもあってか、西野監督は「W杯は自分にとって初めての経験になるし、直近の準備からの大舞台なので、とにかく今は選手たちをトップフォームに近づけて、そのうえでベストなチーム作りをしたい」と話すなど、所信表明的な言葉が目立った。ただその一方、物議を醸した「ポリバレント」という表現については、こう言及している。

「先日言ったポリバレントについて、複数のポジションをこなせるという能力は間違いなく大事なことなので、本大会に向けてはそういう選手が必要。ただ『全員がポリバレントでないといけない』と言ったのではない。

 スペシャルな選手もいますし、決してポリバレントではないから外したというわけではない。競争のなかで、選択肢のなかで選ぶことができなかったということで、全員にポリバレントを求めているわけではない。編成をしていくなかでは、間違いなくいろんな対応力が必要ですし、システムに関してもそうだし、ポジションに対しても違和感なく入っていけることは必要な要素だということで伝えている」


サイドは激戦区で中島を“選べなかった”のが実情か

 スペシャルな選手がいるとの言葉から踏まえると、西野監督のなかではポリバレント性という言葉が独り歩きしたと感じているのかもしれない。

 代表2列目の左サイドは原口元気に宇佐美貴史(ともにデュッセルドルフ)、先週負傷したMF乾貴士(エイバル)と激戦区だ。中島についてはこのポジションの人材が豊富すぎて選べなかった、といったところが実情だろう。

「久保(裕也/ヘント)の追加招集は決まっていない。プレーオフもありますし。乾の状態もあるし、岡崎(慎司/レスター)と香川(真司/ドルトムント)もそう。もう少し見極めが必要。一言で言うなら、ワクワクしてる」

 バヒド・ハリルホジッチ前監督の解任の経緯もあって、新体制は厳しい目にさらされているだけに、指導ぶりだけでなく言葉のチョイスでも細心の注意が問われそうだ。


(Football ZONE web編集部)