井上尚弥【写真:Getty Images】

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賞金総額50億円のWBSSへの注目度上昇中、南アの11秒KO男・テテも参戦見据える

 プロボクシングの前WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(大橋)は5月25日にWBA世界バンタム級タイトルマッチ(大田区総合体育館)で同級王者ジェイミー・マクドネル(英国)に挑戦する。3階級制覇が期待される「The Monster」には、賞金総額50億円ともいわれるボクシング界の一大イベント「ワールドボクシングスーパーシリーズ(WBSS)」参戦の可能性が浮上しているが、この開催発表が井上のタイトルマッチ待ちの状況だという。

「スーパーシリーズの交渉がテテを防衛戦の意欲を高める」と特集したのは南アフリカ地元紙「サンデー・ワールド」だった。

 WBO世界バンタム級王者のゾラニ・テテ(南アフリカ)は、昨年11月に同級3位のシボニソ・ゴニャ(同)を世界最速の初回11秒で沈め、一気に名前を上げた。4月21日にベルファストで同級1位のオマール・ナルバエス(アルゼンチン)と2度目の防衛戦に臨むが、テテも井上とともに“一大フェスティバル”への参戦が見込まれている。

 テテはナルバエス戦の先にある、バンタム級のトップボクサー勢ぞろいが見込まれるWBSSにすでに照準を合わせているようだ。

「ナルバエスには自分にとって、大事なこの全てを台無しにさせるわけにいかない。これはデカイ(イベントだ)。彼の功績と経験には敬意を払うが、オレがリングに足を踏み入れるまでの話だ」

 同紙によると、テテはこう語ったという。ナルバエスは42歳ながら歴戦の強者。だが南アフリカの強豪はその先の一大イベントを見据え、燃えているようだ。

第2回WBSSの正式発表は「イノウエの結果を待ってから」

 井上陣営も参戦の打診を認めているWBSS。昨年9月にクルーザー、ミドル級で開催されたが、第2回の発表は井上のマクドネル戦の結果待ちの状態だという。

 WBSSは次回大会からバンタム級でも開催する方針で、テテ、WBAスーパー王者のライアン・バーネット(英国)、そして、WBA正規王者に挑む井上の参戦が浮上している中、記事では「正式発表は5月25日のイノウエとジェイミー・マクドネル戦の結果を待ってから」と報じられている。

「パウンド・フォー・パウンド」で世界10傑に入る井上はすでに海外のファン、メディアから大きな注目を集めている。「The Monster」の3階級制覇の瞬間を待ってから、第2回WBSSは正式に発表となるというのだ。

 ボクシングの祭典になり得る、ビッグイベント「WBSS」も心待ちにする井上。試合前から今後の展開を巡って、周囲が騒がしくなってきた。(THE ANSWER編集部)