日本で普及している「電動アシスト自転車」と同じように、中国では無免許で乗れる「電動バイク」が流行っているという。(イメージ写真提供:123RF)

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 ペダルをこぐ力をモーターで助ける「電動アシスト自転車」が日本で発売されてから、今年で25年になる。子育て世代を中心に今ではすっかり定着し、この市場の成長は今でも続いている。ところ変われば交通事情も違うもので、中国で電動アシスト自転車を見かけることはなく、その代わりに「電動バイク」を見かける機会が非常に多い。中国で電動バイクがこれほど普及したのは、運転免許が不要で、税金もかからず、自賠責も要求されないことなどが背景にあるようだ。中国では学生からお年寄りまで、誰でも乗れる気軽な交通手段となっている。

 しかし、日本では電動バイクを見かけることはほとんどないため、なぜこんなに便利で環境にも優しい乗り物が日本にはないのかと中国人は不思議に感じるようだ。中国メディアの今日頭条は15日、この謎を解く記事を掲載した。

 記事によれば、日本は交通機関が発達していて非常に便利であり、自動車も普及しているため、電動バイクのニーズがないと分析。台風や雨、雪の多い日本の気候も電動バイクには向いていないのだろうと推測した。

 また、別の理由として「安全面」も大きいと分析した。中国では電動バイクは自転車と同じく誰でも気軽に乗れるが、その速度は自転車よりずっと速く、免許の必要がないため交通ルールを無視する電動バイクも多く、事故が頻発している。

 さらに、電動バイクメーカーのなかには出荷する際に速度制限の装置をあえて無効にしてしまうところもあるという。速度の出る電動バイクを求める消費者が多いためだろうが、安全を完全に無視した行為だ。また、質の悪いバッテリーの爆発事故も少なくない。それで記事は、安全面での問題もあり日本では普及しないのではないかと論じた。

 最近では、中国でも都市によっては電動バイクの規制が始まっている。日本で広まらない理由はいろいろあるだろうが、やはり日本では安全を重視し、バイクと同じ扱いで免許証が必要になることが大きな理由といえるだろう。日本では今後も、電動バイクより安全で便利な電動アシスト自転車がシェアを伸ばしていくに違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)