マーリンズのイチロー【写真:Getty Images】

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フィリーズ戦で代打決勝3ラン、監督「イチのホームランはあまりに大きかった」

 米大リーグのマーリンズ・イチロー外野手が22日(日本時間23日)の敵地フィリーズ戦に代打で登場し、決勝3ランを放った。132メートルを記録した特大の今季3号で12-8の勝利に貢献した背番号51について、MLB公式サイトも「イチ・ゴー!」と特集。ドン・マッティングリー監督は「イチのホームランはあまりに大きかった」と感謝している。

 ひと振りで勝負を決めた。3-3で迎えた7回無死一、二塁の好機。イチローは相手の先発右腕ノラの速球を見逃さなかった。強烈な打球は右中間に伸びた。そして、ブルペンでウォーミングアップするマーリンズ救援陣が両手を挙げる手前の敵軍ブルペンに飛び込んだ。

 実況やチームメートが大興奮となっても表情を変えずダイヤモンドを一周したイチロー。値千金の勝ち越し3ランはMLBのデータシステム「スタッツキャスト」が432フィート(132メートル)と計測したビッグアーチとなり、これがそのまま決勝弾となった。

 MLB公式サイトによると、マッティングリーも称賛。「イチのホームランはあまりに大きかった。我々はあれで解放された。試合の流れも少し変わったんだ」と勝利をたぐり寄せた大ベテランの働きに感謝した。

絶大な信頼に導かれたアーチ…指揮官「だから、彼のスイングにかけたんだ」

 指揮官にとって、絶大な信頼に導かれたアーチでもあった。イチローは初球にバントの構えを見せていた。しかし、マッティングリー監督はイチローのひと振りにかけていたという。

「イチローがいれば、ダブルプレーになることはない。だから、彼のスイングにかけたんだ。バント? そのつもりはなかったよ」

 43歳にして衰え知らずの韋駄天のイチローなら併殺はないと確信していたという指揮官だが、背番号51はこれまた衰え知らずのパワーによって最大級の結果を示した。

 ロス・グロードが持つマーリンズの年間最多代打安打記録21本に並んだイチロー。メジャー通算117本目のホームランでメジャー最年長野手は健在ぶりをアピールした。