ソウルの竜山駅前広場で除幕された「強制徴用労働者像」に見入る元徴用工の金漢洙さん(手前)=12日午後、牧野愛博撮影

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 韓国のソウルと仁川(インチョン)で12日、日本統治時代に朝鮮半島から労務動員された「徴用工」の像の除幕式があった。徴用工像の設置は初めて。歴史認識問題で日本に厳しい姿勢を示す文在寅(ムンジェイン)政権の登場もあり、韓国ではこうした動きが活発化。慰安婦問題を象徴する「少女像」に続き、日韓関係を緊張させそうだ。

 12日午後、ソウル中心部の竜山駅前広場で市民団体が徴用工像の除幕式を開いた。韓国国土交通省は、国有地への設置は国有財産法に違反するとし、認めない立場だったが、市民団体側は強行した。同省は「法に沿った手続きを取る」とするが、市民団体との衝突を避けて政府が黙認するのではとの見方も出ている。

 同日夕には、日本の軍需工場が多数存在した仁川の富平公園内でも徴用工父娘像の除幕式があった。市民からの寄付金7500万ウォン(約715万円)で制作した。

 日本統治からの解放を祝う「光復節」の15日には、ソウルの日本大使館そばで市民団体が記者会見し、少女像の横に徴用工像を設置する立場を改めて強調する予定。10月には、済州島の日本総領事館前に徴用工像を設置する動きがある。

 日本は戦時中の労働力不足などを補うため、1939年に労務動員計画を閣議決定。39〜45年に約70万人を朝鮮半島から動員したとされる。日本政府は65年の日韓国交正常化にあたり、植民地支配下での徴用や徴兵などの個人補償は韓国側に任せ、経済協力の形で「清算」に代えた。韓国政府は、徴用工問題については日本政府と同様「解決済み」との立場だ。

 しかし、元徴用工らは、韓国が対日請求権を放棄する代わりに日本から得た無償3億ドル(当時の1080億円相当)の経済協力資金の分配が得られなかったのは不当だと主張。訴訟が相次いでいる。