お盆シーズンといえば、日本ではご先祖様の霊をお迎えする期間。しかし毎年ちょうど同じ時期、東京・有明の「東京ビッグサイト」は、日本で最も熱気に包まれる場所と化します。そう、通称“夏コミ”と呼ばれる夏の同人誌即売会「コミックマーケット」が今年も開催されるのです。ちなみに「コミックマーケット」は年に2回ありますが、冬場に開催されるのは“冬コミ”と呼ばれます。

このイベントに行ったことがない人にとっては「オタクの祭典?」くらいのイメージかもしれませんが、実は“夏コミ”の現場は想像以上に過酷。今回はそんな夏コミの過酷な現状を「株式会社ユニクロ」が調査しているので、そのデータをもとに紹介します。

空調もかき消す!人の熱気で熱中症の危険性も

まず紹介したいのは、夏コミも冬コミも参加経験のある人を対象とした「夏と冬、どちらが辛いと思いますか?」という質問。結果はこちらとなっています。

冬コミよりも夏コミは、来場者数がはるかに多いようです。

87.5%が「夏コミ」と回答。もはや聞くまでもない結果となっていますが、なぜ夏コミはつらいのでしょうか? その理由について最も多かった順にランキング形式で紹介すると……。

夏コミの困りごと

1位 熱気がすごい……67.3%

2位 炎天下並ぶのがつらい……60.6%

3位 汗などのにおいで臭い……57.7%

3位 熱中症になりかける……57.7%

4位 トイレになかなか行けない……37.5%

5位 人にぶつかったときにべたつく……34.6%

6位 着替えをしたくても着替えられない……26.9%

7位 買ったものが汗でぐしゃぐしゃになる……26.0%

8位 日焼けしてしまう……24.0%

ランキングを見て全般にいえるのは、とにかく暑いこと。確かに真夏ですが、メイン会場は東京ビッグサイトの館内(一部屋外もあり)で、空調設備はもちろんあります。しかし2位にあるように入場までに外で何時間も並ぶ必要があり、何よりも人の熱気がすごすぎて、冷房が追い付きません。個別のコメントでさらに補足すると「一応空調はきいているが、人の熱気で空気が薄くなり、シャッターを開けてしまうため暑い」(40代女性)とのこと。その結果、汗などににおいが発生し、熱中症になる危険性も発生するようです。

もはやスポーツ!?タオルと飲み物、汗ふきシートは必需品

次に紹介するのは、超過酷な夏コミで「持っていって良かったもの」。こちらもランキング形式で紹介します。

「マスク」(9.6%)は汗によるニオイ対策でしょうか?

1位から3位の「タオル」(81.7%)、「飲み物」(66.3%)、「汗ふきシート」(55.8%)、こちらが夏コミに欠かせない三種の神器ということになりそうです。ほかの項目をみると「買ったものを入れる袋」(27.9%)、「携帯の充電器」(23.1%)、「マスク」(9.6%)は夏コミならではという気がしますが、ほかはもはやスポーツと同じ! 

昨年の来場者数は3日間で53万人だったそう(主催者発表。さて今年は?

さらに同調査では、初めて参加する人に向けて「初めて参加する上で気を付けた方が良いこと」を質問。結果、以下のようなアドバイスがありました。

「無理をしないこと。自分の水分や塩分は持参すること。十分な睡眠をとってから出掛けること。お目当てが買えなくても八つ当たりしないこと。スプレーの制汗剤は人前で使わないこと」(30代女性)

「少しでも体調が悪いなど異変を感じたら、無理せず参加をやめるぐらいの気持ちで」(40代女性)

いかがでしょうか?しかしここまで過酷なのに毎年多くの人が集まるのは、それほど夏コミが参加者にとって魅力的なイベントだからなのは間違いないでしょう。初めて参加する人はとにかく熱中症や汗などの対策しっかり行い、くれぐれも体調管理に注意をはらって楽しんでくださいね。

【調査概要】
調査主体:株式会社ユニクロ
調査実施機関:マクロミル
調査方法:アンケート調査(インターネット調査による)
調査期間:2017年7月8日(土)〜2017年7月9日(日)
調査対象:2015年以降の夏と冬の同人誌即売会両方に参加したことがある18歳〜49歳の男女100名(男性、女性各50名ずつ)