こどもの近視人口増加中!こどもの眼の成長を考えた夏休みの過ごし方とは?

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2017年7月5日、近視や目にまつわる科学的に証明された治療法や予防法の開発に取り組む「近視研究会」は、「こどもの眼の成長を考えた夏休みの過ごし方セミナー」を都内にて開催した。

セミナーでは「子どもの近視の現状」「近視のメカニズム」「近視発症の環境因子」「近視進行抑止効果」などの最新研究が紹介された。

慶應義塾大学医学部眼科学教室教授の坪田一男氏によると、現在アジア全域で近視の危機が顕著に現れており、過去60年間の増加率は香港ではほぼ8倍、韓国では4倍、台湾でも4倍というデータが出ており、全世界の人口の3分の1にあたる25億人が近視であると推測されるという。

日本でも近視の人口は増加し続けている状況で、小学生で3割、中学生では半数、高校生では6割を超えており、年々増加の傾向にあるのだそう。

 慶應義塾大学医学部眼科学教室助教の鳥居秀成氏は、「近視進行抑止効果の最新研究では、バイオレットライトが関与する」と説明した。
バイオレットライトとは、可視光の最下限、紫外線の手前に位置する可視光での最も波長の短い紫色の光(波長360〜400nm)で、太陽光に含まれている。
動物実験などの基礎研究と臨床研究の両面から検証した結果、このバイオレットライトが近視進行抑制に関与していることが認められたという。
バイオレットライトは学校や家庭などの屋内ではほとんど存在していないので、屋外活動することによって、豊富に浴びることが可能となり近視進行抑制の効果が出るのだそう。
近視の進行を抑える為にも1日2時間は屋外で活動することが望ましく、また日差しが入る時間帯にはできるだけ窓を開けて、自然光を取り入れるのが良いそうだ。

 
パネルディスカッションでは、参議院議員として近視人口の減少への対策作りに尽力する古川俊治氏、モデル・コラムニストで活躍中のクリス-ウェブ佳子氏も参加し、近視急増社会の現状にまつわる討論も行われた。