「フリースタイルダンジョン」T-Pablow胸ぐら掴んで喧嘩かラップか、ゆらがず睨んで晋平太

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T-Pablowがガチでギレた。
隠喩としての喧嘩ではなく、もはや、今回は喧嘩だったのではないか。
晋平太 VS T-Pablow。
バトル前のVでは、晋平太のイメージを「普通に良い人ってイメージっすね」と穏やかに語っていたのに。


第一ラウンド。
ビートは、「YBKMN/Mr.MUSICIAN × 韻踏合組合」。
T-Pablowの先攻。
「腐っても鯛でいたいのが俺のスタイル」
と自分自身のHIP HOPスタイルの宣言からはじめていく。
一本100万円のラップのCMを蹴った話をして
「その代わりラッパーってのは この場所でカッコいいバースを蹴んだよ」
と締める。
まだ余裕があり、しっかりと構成されたファーストターンだ。
晋平太は
「ブームに乗って増えてくれる皆のための文化じゃね?」
と、ガッツリとT-Pablowの言葉にアンサーする。
コマーシャル蹴った話題にもアンサーして、
「コマーシャルレベルのラップ こまっしゃくれてるけど 困っちゃってんのお前でしょ?」
と「コマ」で頭韻を踏みながら、言葉遊びだけにならず、内容もしっかりと詰めこんでいく。
T-Pablowは、
「本当に大事なのは広めることより広め方。金稼ぐことよりもの稼ぎ方」
と主張する。
晋平太は、T-Pablowの「切腹」のワードを受けて、
「お前が切腹しろ もうちょいビートとセックスしろ」
と返す。
「T-Pablowと書いて読み方はYoung cash」
には
「晋平太と書いて 晋平太と読む」
と返す。
バトルば終わっても、バチバチのにらみ合いが続く。
チャレジャー4 モンスター1で、チャレンジャーの勝利。

第二ラウンド。ビートは「ビートもクソモネェカラキキナ2016REMIX/REMIX feat.般若, 漢 a.k.a. GAMI & R-指定」
晋平太、先攻で
「ビートもクソモネェカラキキナ」とまんまはじめて、
「気をつけな口の利き方」と続ける。
鬼気迫る表情。
晋平太「お前がなんねぇでどうすんだ みんなの味方」
の途中で、T-Pablowが晋平太の胸ぐらを掴む。
「おらぁ」と口が動いている。
晋平太は、ひるまず「掴む胸ぐら」とそのまま口にする。
T-Pablowがゆらゆら体を揺らして押してくる。
晋平太「ゆらゆらしても俺はMother【コンプラ】だ」。
こんな状況で、その状況を即興で語りながら、「むなぐら」「ゆらゆら」が「うあうあ」で韻を踏んでる。
T-Pablowの凶暴力にもビビらず声を揺らさず、がっちりラップを続ける。
肝が座っている。
T-Pablow、巻き舌になり、手振り身振りも大きくなる。
「お前できねぇだろTOKONA-Xに顔向け」
晋平太がラップしている間も、手はぶらり下げているが、ぐいぐい前進して、体を当てていく。
晋平太は、左腕を反対側に逃して、それを押しとどめる。
「TOKONA-Xに顔向け? お前の下手なラップよりも十分できるぜ」
このときのT-Pablowの「はぁ?」って言う顔力。喧嘩の仕方、啖呵の切り方。
晋平太、腕晋平太、腕を顔の前でクロスさせて(追記:TOKONA-Xのサインだそうです!)防御しつつ、さらに
「お前は成り上がりじゃない、成りたがり」
とディスる。
T-Pablow「あと てめぇから触ってきたんだからな?」
テレビの映像だけでは、晋平太が挑発的に触った様子は確認できなかった。
だが、映す角度もあるだろうし、編集もあるだろうから、真偽は判らない。
現場で観たもの、いや、本人たちにしか判らない。いや、本人たちにも判らないかもしれない。
T-Pablowの怒りは、しっかりと映し出される。
ここまではビートにのせていたが、T-Pablowが、ここから、それを超えて
「おい この野郎 てめぇ後でさらっちまうぞこのクソガキこの野郎がよ」
とドスを効かせた声で、罵声を浴びせる。
「しゃらくせぇこと言ってんじゃねぇぞガタガタ抜かすなアホ バイブスだけのアホ」
ビート上の罵声から、どうにか最後はフロウとしての声を取り戻す。
晋平太はブレない。
「さらっちまうぜ? 笑っちまうぜ お前がクソだせぇ 言われても動かねぇ」。
この肝の太さ。
晋平太「お前がマイク離して尻込みしてんぜ」
T-Pablowがまた胸ぐらをつかむ。
晋平太「また掴んだ。これでファウル2」
と冷静に指摘。
さらに「俺のラップ中 なに見てる?」と韻をふみつつ、
「お前にラブがあって その胸ぐらを掴むラップを
本当にワルの文化だと思って広めるのか?」
と、激昂したT-Pablowの威嚇をものともせず、痛烈な批評を展開する。
T-Pablow、晋平太の言葉を気にもせず牙をむき出しながら突き進む。
「てめぇの事ぶっとばすのなんて簡単なんだよ」
と、罵倒。
「てめぇ死ねよ 触んじゃねぇぞ」
ビートがなくなっても、マイクを外して、何かを言い続けるT-Pablow。
モンスタールームで、R-指定が「怖っ」と思わず発して、
「ビートもクソも無かった」と後ろから声がして、
みんなが、それを繰り返す。
判定中も、おらおらってて、モンスタールームから「落ち着こう」の声。
鬼気迫る空気。
チャレンジャー3、モンスター2で、晋平太の勝利。
晋平太が汗をぬぐい、神経の太さを見せた。
次は、R-指定との対戦である。
歯に衣着せぬだけでなく、切り裂く破壊力、さらにスキルも強烈なR-指定と、どのような対決を観せてくれるのか。(テキスト/米光一成 イラスト/小西りえこ