「永久シード」を持つジャンボ尾崎(写真:時事通信フォト)

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 電撃引退会見を開いた宮里藍(31)の国内引退試合となる可能性が取り沙汰された「サントリーレディスオープン」(兵庫・六甲国際GC)は、警備員が2倍に増員されるなど開催前から異例の盛り上がりを見せ、最後の“藍ちゃんフィーバー”に沸いた。その余波を思わぬ形で受けてしまった人がいる。

「現役を続けようと思えば続けられるはずの藍ちゃんがあまりに潔く引退を決めたことで、男子ツアーの“引き際の悪いベテラン”が目立ってしまっているのです」(日本ゴルフツアー機構関係者)

 男子ツアーでは6月1〜4日にメジャー大会「ツアー選手権森ビル杯」(茨城・宍戸ヒルズCC)が開催された。男子プロの日本一を決める大会で関係者の注目を集めたのは、優勝した南アフリカのショーン・ノリスではなく、尾崎将司(70)と中嶋常幸(62)だった。

 尾崎は通算18オーバーで122位タイ、中嶋は同14オーバーで115位タイと、「永久シード」を持つ2人は揃って予選落ち。

「永久シードはツアー25勝以上の選手に与えられます。2人の他に青木功(74)、倉本昌弘(61)、尾崎直道(61)、片山晋呉(44)と亡くなった杉原輝雄さんの7人が獲得してきた。獲得すればほぼすべてのトーナメントに優先的に参加できますが、尾崎と中嶋はとりわけ出場に熱心な一方、近年は成績が芳しくない。

 メジャー大会のツアー選手権に尾崎は過去10年間で9回出場し、予選落ち5回、棄権4回。中嶋は10回すべてに出場し、予選落ち5回、棄権2回です。ルールで認められた権利とはいえ、彼らが出ればマンデートーナメントから出場権を狙う若手プロの枠が減ってしまうわけです」(同前)

 辛口評論で知られるゴルフ評論家の菅野徳雄氏はベテラン勢を手厳しく批判する。

「尾崎も中嶋もゴルフ界の功労者に間違いありませんが、今の状態は問題でしょう。実力が伴っているうちはいいが、出場しても最下位や棄権ばかりでは、永久シードなんて廃止してしまえという話になってくる。ゴルフ界を盛り上げるならジュニア指導やシニアのツアーに出場するなど方法はあるはず。亡くなった杉原さんはシニアのツアーで観客を沸かせていました」

 松山英樹(25)や石川遼(25)ら若手が米ツアーを主戦場にするなかで「スポンサーは今でも集客力はAON(青木・尾崎・中嶋)頼みと思っている」(広告代理店関係者)といい、底堅い人気はあるようだが、藍ちゃんフィーバーで巻き起こった批判に抗いきれるか。還暦を過ぎたレジェンドたちにアゲンスト(向かい風)が吹いている。

※週刊ポスト2017年6月23日号