by Daniel Incandela

アメリカのニュースメディア「Vox」のレポーターが日本を訪れた時に、「自動販売機がどこにでもある」という事に気づき、「なぜ日本にはこんなにも自動販売機が多いのか?」ということを考察。自動販売機について調べていくと日本の価値観や経済が見えてきたとして公開されたムービーが、100万回以上も再生される人気ムービーとなっています。

Why Japan has so many vending machines - YouTube

日本は「23人に1台」と言われているほど自動販売機であふれています、ということでムービーがスタート。23人に1台という数は、1人あたりの自動販売機の数としては世界最多とのこと。



オモチャの自動販売機や……



ジュース



たばこなど、自動販売機にも色んな種類があります。



自動販売機について考える前に、まず現在の日本の状態について語られています。まず、日本は高齢化社会で、中央年齢は46歳です。



これは世界の平均年齢の約2倍であるとレポーターの男性は語ります。なお、世界平均はWHOの統計で28.2歳とのこと。出生率は1.4人で、全体的に見ると、人口は縮小傾向にあります。



この影響を大きく受けるのが労働人口。ただお金を受け取って商品を渡すだけの労働力を削減するのに、自動販売機は大きな役目を果たすわけです。



続いて、日本の不動産事情についても言及されます。日本は小さな国であるにも関わらず、人口の93%は都市に住んでおり、人々は文字通りSUVよりも小さなアパートで暮らしている、と語る男性レポーター。



写真として使われているのは建築家の黒川紀章氏が設計した昭和47年竣工のカプセル型集合住宅・中銀カプセルタワービル。





お店を出すには多額の資金が必要になるため、お店側は店舗を出す代わりに自動販売機を道のいたるところに設置することで、多くの利益を得ているのだとのこと。



また、男性レポーターが過去に読んだ東京に関するエッセイでは、爆発的に自動販売機が増えたのは、日本が「ロボット」や「自動化」に大きな憧れ、あるいはオブセッションを持っていたことが原因と書かれていたそうです。



街角にはPepperが立ち……



お店の中には食券機が備えられています。



「自動化されうるものは全て自動化されている」「これは『あらゆるシステムを自動化したい』という文化的なトレンドを暗示している」とレポーター。



食券を店員に手渡すと……



小さなすだれの奥からラーメンが運ばれてきます。



ラーメンが手渡されたらすだれが下ろされ、働く人の姿は見えません。



次にレポーターが指摘したのは……



タクシー。確かにタクシーの扉の開閉も自動化されています。



一方で「私は誇張するつもりはなく、日本には手作業で行われていることも多く存在します」とも語られています。



ある喫茶店では1杯1杯コーヒーがドリップされ……





金属のボトルに入れられて巨大な氷の上で急冷されます。



アイスコーヒーがカクテルグラスに注がれ、その上にクリーム。



これはカフェ・ド・ランブルの飲むコーヒーゼリー「琥珀の女王」だと見られます。



そして、自動販売機に貢献するのがコイン。



日本ではクレジットカードではなく、現金ベースの支払いが主流です。人々は多くのコインを持っており、5ドル札に相当するコインもあることから、ポケットに溜まりがちなコインを何とかするために自動販売機でおやつを買うのは非常にいい手段だと語られています。



ということで日本に自動販売機が多いのは「高齢化社会」「労働力の高騰」「ロボットへの愛」「多すぎるコイン」の4つが原因とのことです。