狂気のブログ、まさかのドラマ化


原作はバカリズムが2006年から2009年の約3年間、OLのフリをしてやっていたブログ「架空升野日記」


3年間もしれっと。
OLのフリをしてブログを。
どうかしている…。


のちにこのブログは書籍化されている(「架空OL日記 1」 「架空OL日記 2」)。
解説(「架空OL日記2」)でいとうせいこうがブログを見た時の驚きを語る。

“升野はわりと親近感を持っていたはずの私にさえ、この“OLになりきったブログ”の存在を教えなかった。
〜中略〜 
何かどこかでちらりと情報を得、私はまさかと思って見に行ったのだろう。
そして、とにかく驚いた。ひそかにこんなことをしているのは狂気の沙汰だと思った。文が淡々としている分だけ、不気味さが募った。異常だった。

ブログのスタートは2006年1月。
もともとコンビだったバカリズムから相方・松下が脱退したのが2005年11月末、ピン芸人として升野が「バカリズム」をスタートさせたばかりの時期だ。
本人は「暇だったから」とコメントしているが、ピン芸人としてのスタイルを模索するためにしていたブログなのかもしれない。
しかしまさか約10年後にドラマ化されることになろうとは、当時のバカリズムは思ってもいなかっただろう。

主演、バカリズム。OL役


ブログの内容は本っっ当になんということのない普通のOLの日記だ。
しかし読んでいる間ずっと頭の片隅に
「バカリズムがOLのフリをして書いている」
という情報があるため、ゾワゾワしながら読むことになる。

「架空OL日記」がドラマ化されると聞いてこの「ゾワゾワ感」を表現するのは無理だろうと思っていた。
思っていたが。
主役のOLをバカリズムが演じるというストレートかつ狂った方法であっさり解決。

ツイッターでバカリズム本人がこう呟いている。

女装がやりたかったんじゃなくて、あの狂気を表現するには自分がやるしか方法がなかったんです。


第1話のあらすじ


女子更衣室で使っていたハロゲンヒーターが壊れてしまった。
「寒がりな私たち女性行員にとって死を意味していた」
翌日、小峰さん(臼田あさ美)が電気屋のポイントを使って新しいハロゲンヒーターを買ってきてくれた。
これがきっかけで小峰さんを「小峰さま」と呼ぶようになる。


ああ、良いなぁ。
良い人間関係の職場だ。OLたちの平和な日常。

と同時に、バカリズムが普通にOLの顔をして、しれっと画面にいる狂気。

ほのぼのしながらゾワゾワする、変なドラマ「架空OL日記」。
途中から見てもストーリーが分からないという心配はない。

バカリズム「架空OL日記」(日本テレビ・土曜深夜/読売テレビ・木曜深夜/hulu・読売テレビ放送終了後より配信)。
原作・脚本/バカリズム
出演/升野英知(バカリズム)、 夏帆、臼田あさ美、佐藤玲、山田真歩

(イラストと文/小西りえこ)