圏央道の境古河IC〜つくば中央IC間28.5kmが、2017年2月26日に開通し、東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道、東関東道の放射6高速と接続します。都心を避けた迂回は有効に機能するのでしょうか。

首都高経由と圏央道経由、早いのは…

 茨城県内の圏央道 境古河IC〜つくば中央IC間28.5kmが、2017年2月26日(日)15時に開通します。この開通により圏央道は、東京から放射状にのびる東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道、東関東道の6路線と接続、さまざまなルート選択が可能になります。

赤線が、2017年2月26日に開通する圏央道の境古河IC〜つくば中央IC間(画像出典:NEXCO東日本)。

 圏央道には、都心を通過するクルマを迂回させて都心の混雑を緩和させる役割もあります。2016年4月には国土交通省の主導で首都圏の高速道路料金がすでに改定されており、出発点と目的地が同じなら、都心経由でも別ルートでもETC車は基本的に同料金になりました。

 都心を避けて圏央道経由にすると、時間や距離はどう変わるのでしょうか。開通区間の東端であるつくば中央IC(茨城県つくば市)と、その対角線上に位置する東名高速 厚木IC(神奈川県厚木市)のルートを、NEXCO東日本の「ドラぷら」で調べてみたところ、下記のような結果になりました。所要時間は渋滞を考慮しない場合の目安時間で、料金は平日昼間の普通車ETC割引を適用させたものです。

●ルート1:首都高経由
・経路:圏央道→常磐道→首都高(三郷JCT→小菅JCT→堀切JCT→江戸橋JCT→谷町JCT→東京IC)→東名高速
・距離:114.2km
・所要時間:1時間30分
・ETC料金:3820円(通常3960円)

●ルート2:圏央道経由
・経路:圏央道→東名高速
・距離145.6km
・所要時間:1時間56分
・ETC料金:3820円(通常4810円)

 つくば中央〜厚木間のほぼ全区間を圏央道経由で走ると、都心経由よりも距離にして30km以上、所要時間にして26分長くかかるという結果になりました。

 では、渋滞を考慮した場合はどうなるでしょうか。

渋滞を考慮すると…

 Google mapにて、渋滞を考慮しつつ3月3日(金)17時につくば中央ICを出発する設定で検索すると、最短距離のルート1は最大で3時間30分、ルート2は2時間25分になり(ただし本記事執筆時点でつくば中央〜境古河間は未開通のため、同区間はNEXCO東日本の「ドラぷら」による所要時間を適用)、ルート2のほうが1時間以上早く着くという結果になりました。

 ほかのルートはどうでしょうか。たとえば、常磐道を使いつつも、首都高速を避け、外環道と関越道を経由し圏央道を走り厚木に至る、というルートを、同じく「ドラぷら」で調べてみたところ、下記のような結果になりました。渋滞を考慮せず、平日昼間の普通車ETC割引を適用させたデータになります。

●ルート3:圏央道・外環道・関越道経由
・経路:圏央道→常磐道→外環道→関越道→圏央道→東名高速
・距離165.3km
・所要時間:2時間2分
・ETC料金:3820円(通常5410円)

 渋滞を考慮しない場合は、ルート2とルート3とで、所要時間はさほど変わりません。一方、ルート1、2と同条件で渋滞を考慮した場合、ルート3の所要時間は最大3時間20分となり、今度はルート1の所要時間とあまり変わらないという結果になりました。

 渋滞状況は刻々と変わり、それに伴い所要時間も変わっていきます。その時々に応じ、圏央道と放射道路を組み合わせることで、よりスムーズに目的地へ到着できるルートが見つかるでしょう。

【画像】圏央道経由と首都高経由、外環道経由ルートの比較

つくば中央〜厚木IC間は、圏央道のつくば中央〜海老名JCT間経由よりも、首都高経由のほうが短い。つくば中央〜海老名JCT間経由は、外環道・関越道経由と大差はない(国土地理院の地図を乗りものニュース編集部で編集)。