第2次世界大戦中にナチス・ドイツがユダヤ人を大量虐殺した「ホロコースト」についてGoogle検索をすると、「ホロコーストなどなかった」という主義・主張の差別的なサイト(ヘイトサイト)が検索結果の上位に並んでいることが問題視されてきました。この批判を受けて、Googleは検索アルゴリズムの変更にすばやく着手しています。

Official: Google makes change, results are no longer in denial over 'Did the Holocaust happen?'

http://searchengineland.com/googles-results-no-longer-in-denial-over-holocaust-265832

「ホロコーストなど実際にははなかった」などの差別的な主義・主張のサイトが上位にひしめく検索結果の問題は、Googleがもはや一検索サービスという位置付けにとどまらず「ネットインフラ」と言うべき存在に成長したことで生じた問題であることについては、以下の記事で説明しています。

Googleが単なるサービスを超えてネットインフラの域に達することで直面する検索結果の不都合 - GIGAZINE



ホロコースト検索問題についての批判を受けたGoogleは、検索結果に影響を与えるアルゴリズムを変更して、この問題に対処したことを公式に認めました。

Search Engine Landに対してGoogleは、「Googleは人々に高品質で信頼性できる検索結果を提供できるように作られました。Googleは、ユーザーに対してさまざまな情報源から得た幅広い多種多様なコンテンツを提供できるように努力しており、『自由で開かれたweb』という原則に尽力しています。クエリに対してどのウェブサイトが最もふさわしい結果であるかを判断することはチャレンジングな問題で常に正しい答えを出せるとは限りません。正しくない検索結果がGoogle検索の上位にランクされるときには、問題を修正するために、手動で結果を削除するのではなく大量の検索に対応できるよう自動化された方法を開発します。そして、Googleは最近、より高品質で信頼性の高いコンテンツを表示できるようにアルゴリズムを改良しました。Googleはこれらの課題に取り組んでおり、アルゴリズムの改良を続けていきます」と回答しています。



「did the holocaust happen」と入力して検索すると、2016年12月20日の午後1時ころの検索結果は以下の通り。



しかし、翌日の午前2時45分の検索結果では、「Top 10 reasons why the holocaust didn't happen(ホロコーストが起こっていない10の理由)」というサイトの検索順位が下降し始めているのが確認できます。



Googleは世界中に多数のデータセンターを置いているため、新アルゴリズムによる検索結果が反映されるには数日はかかると予想されています。しかし、新アルゴリズムによる結果が現れていることが、Twitter上で報告されています。





ただし、Googleの新アルゴリズムに対しては、Microsoftの検索サービス「Bing」の例を引き合いに、「Holocaust denial」という、ホロコーストを否定する差別主義的な活動があるという事実に関するWikipediaページを上位に表示する方が効果的ではないかという指摘もあるとおり、依然として課題が残る結果となっています。



新しいアルゴリズムに対抗するSEO手段が開発されるのも時間の問題であり、どんな結果をどの位置に表示させるべきかという価値判断をどうやってアルゴリズムに反映させるのかという恣意性の問題もからむため、完全な問題解決は難しく、今後もGoogleによる検索ランキングのアルゴリズム構築は、改良し続けることが求められそうです。