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 フジテレビが11月17日、年内解散を発表しているSMAPのメンバーが主演をつとめたドラマや映画を一挙再放送することを発表した。ファンは複雑な心境をのぞかせる中、フジテレビの思惑も見え隠れする。

■I女史貢献のSMAP作品は見納め?

「SMAPグラフィティ」と題した同企画は、SMAPのCDデビュー25周年を記念したもの。11月19日から12月28日にかけて、フジ系列のSMAP主演作を放送する。

 放送作品として選ばれたのは、「再放送を熱望する声が寄せられた」という連続ドラマやスペシャルドラマ、映画など。木村拓哉(44)主演の『HERO』(フジテレビ系、以下同)や草なぎ剛(42)の『僕と彼女と彼女の生きる道』の他、スペシャルドラマとして香取慎吾(39)主演の『一千兆円の身代金』、中居正広(44)主演の『新ナニワ金融道』、稲垣吾郎(42)主演の『金田一耕助「八つ墓村」』などを順次放送予定。

 フジに対するファンの感想は様々。「本当に解散してしまうのですね」「来年には何も放送しないってこと?」と複雑な心境を明かしている。

「SMAP全員で出演する『古畑任三郎 vs SMAP』や『僕が僕であるために』、『世にも奇妙な物語SMAPの特別編』などグループ名が謳われた映像作品は、ほぼ確実に御蔵入り。ジャニーズ幹部に変化がないかぎり、再放送は許されないでしょう。I女史が大きく関わった作品もメリー喜多川氏(89)、藤島ジュリー景子(50)氏らの心証を悪くしないよう、各テレビ局が自主規制するのではないでしょうか」(報道関係者)

 とはいえ今回の企画は、フジ自体にとっても悪くない話。今春、フジは「15時間生放送」を掲げていたが、秋の改編であっさり終了をアナウンス。そして現在は16時台に「メディアミックスα」と題してドラマの再放送などを展開している。同枠を中心に展開されるSMAP作品に注目が集まれば、同放送枠を挟む『直撃LIVE グッディ!』(13時45分〜15時50分放送)や『みんなのニュース』(16時50分〜19時)への「PR効果が望める」(前出・報道関係者)という意見もある。

「近頃は月9ドラマや報道番組の相次ぐ爆死にともない、フジは全日にわたって低迷している印象が強い。今回の再放送はSMAPの解散が重なりますから、ファンが視聴することは確実。相まって『グッディ』と『みんなのニュース』の視聴率も上がれば万々歳」(前同)

 名物番組『SMAP×SMAP』も年内終了し、来年からSMAPに頼れなくなるフジテレビ。だからこそ、最後の最後までSMAPフル活用といったところだろうか。

文・橘カイト(たちばな・かいと)※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。