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「スマホ市場に変革を起こし続け、世界経済を元気にする」という理念を掲げる株式会社CyberZ。そのなかでもスマホアプリマーケティングツール『F.O.X(Force Operation X)』は、累計4200個のアプリに導入され国内No.1シェアを誇る。

今回は、F.O.Xの全体管理を担う、プロダクトマネージャの門田 矩明(かどた・のりあき)氏にその開発の裏側とマネジメントについて話を伺った。

 

入社直後に基幹部分のリニューアルを担当、半年で開発責任者へ

- まず、門田さんはどういった事業に取り組んでいらっしゃるのでしょうか?

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◇株式会社CyberZ Force Operation X事業部 F.O.Xプロダクトマネージャ 門田 矩明(かどた・のりあき)氏

門田氏:CyberZには、スマートフォンアプリの広告代理事業、アドテク事業、スマートフォンメディア事業、グローバル事業という4つの事業があり、僕はそのなかのアドテク事業に携わっています。CyberZは、『F.O.X(Force Operation X:フォックス)』というスマホアプリ広告効果計測ツールを提供していて、私はその開発責任者を担当しています。現在、累計で4200アプリに導入されていて、日本でのシェア率は約50%*となっています。

*アプリのトップセールスランキング上位100タイトルのうち、過半数のアプリに「F.O.X」のSDKを採用いただいております。(当社調べ)

- シェア50%ってすごいですね。F.O.Xはだいたい何人くらいのチームで開発等しているのでしょうか? 併せてチームでの門田さんの役割もお聞かせいただきたいです。

門田氏:まず、私の役割は「半分エンジニア半分マネージャ」みたいな感じです。そもそもF.O.Xに関わり始めたのは、私がサイバーエージェントからCyberZに来た2014年。元からF.O.Xに興味があったので、CyberZに来てすぐその開発に携わらせてもらいました。今はそこからエンジニアの数も増え、プロダクト数も増えたので、開発もしつつF.O.X全体の品質管理やアドテク事業にいるエンジニアのマネジメントを中心におこなっています。

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◇スマホアプリマーケティングツール『F.O.X』

エンジニアの数はこの1、2年の間に2〜3倍になりましたが、開発自体は1チーム3〜4人で進めるように心がけています。というのも、やはりチームに関わる人が多すぎてしまうと、ちょっと集まって話をするだけでも手間がかかってしまうし、意思疎通に時間がかかってしまいますよね。そのため、囲んでピザ1枚食べられるくらいの人数構成にすることを意識しています。

- 2014年に入社してから多くの経験をされて今マネジメントをされていると思いますが、これまでに危機的状況や印象に残っていることはありましたか?

門田氏:危機的状況はこれまでに何度かありましたね。そのなかでも一番の危機は、私が入社して1ヶ月くらいたった頃、リリースしてから2〜3年経過していてシステムも複雑になったデータベースの再設計のミッションを任せられた時でした。当時はこれまでの流れを把握して対応できる人数も限られていて。当時の問題を解決しながら、市場変化による新しい機能の開発もしないといけない。この状況は結構キツイものがありました。なんとかこの時は乗り切れたのですが、入社して間もない時期にシステムの根幹部分にメスを入れるようなタスクに携わったので、早い段階でみんなに信用してもらえるレベルまでに到達することができたと思っています。

他に印象に残っているのは、すぐ近くに営業がいることですね。私が前に居た『Ameba(アメーバ)』には営業がいなかったんですよ。私が入る前に勝手に想像していた広告代理店の営業って“体育会系でオラオラしてる”イメージだったのですが、実際はインテリジェンスな印象でいい意味で予想外でした(笑)。広告システムにも詳しいですし、考え方がとてもロジカルなんですよね。裏側の仕組みレベルで聞いてくる人ってエンジニア以外では初めてでした。そうでないと生き残れないと思うので当たり前のことなのですが、これまでそういう人たちが近くにいなかったのでかなり新鮮でした。

 

いいプロダクトは“いいチーム”からしか生まれない

- 多くのエンジニアを束ねるってなかなか大変だと思うのですが、門田さんがマネージャとして意識していることや大切にしていることはありますか?

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門田氏:これは僕個人だけではなく会社全体で言えることなのですが、エンジニアが働くうえでの“マインド”を大切にしています。技術や作業環境も大切だけど、それ以上に「マインドが1つになっているからこそ、いいチームになり、いいプロダクトができる」と思っていますね。

- 具体的に、エンジニアのスキルやマインドを育てるために何をしていますか?

門田氏:いくつかあるんですが、一つとしては、技術決定とかチーム運営に「裁量権」を持ってもらうようにしていることです。トップダウン型のコミュニケーションに偏ると「上の言いなり」ととらえてしまうし、だからといってボトムアップ型にしすぎても自分勝手になってしまうので。その中間のバランスを取っている感じです。みんなには、「“自由”は与えるけど、その自由に伴う“責任”についてもきちんと考えたうえで行動してね」とお願いしています。

あとは、社外の勉強会に参加して刺激をもらうようにしたり、社内外問わず発表の場を積極的に設けることで、“発表すること自体がいい”と思える、それを通じてエンジニア同士が互いに褒め合ったり意見を交わしたりするのが当たり前になる、そんな文化をつくるコミュニケーションを心掛けています。

たとえば活発なコミュニケーションのために、オフィスには執務スペースと同じ大きさのオープンスペースを設けています。エンジニアって集中しているタイミングで「会議だから」と作業を中断することを嫌うんですよね。その代わりにちょっと集まって話せるようなスペースを多く設けています。実際にこのオフィスに会議室はありませんし、結果として、オープンスペースは開発に集中する環境を作るのにも役立っています。そのなかでも人をダメにするクッション(ヨギボー)はかなりの人気です(笑)

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◇オフィスの様子(オープンな空間のオフィスでは、実際に活発なコミュニケーションが取られていた)

- なるほど。エンジニアにもスランプというか、伸び悩む時期があると思うんですが、そんなときはどうやってアプローチするのでしょうか?

門田氏:そういうときは、「新しいものを与えてみる」に限ると思っています。新しいプロジェクトにアサインしたり、これまで任せたことのない部分をぽんっと与えてみたり。ある程度自由にやってもらって、自分の足りない部分を自分で気付けるようにしています。伸び悩むタイミングって足りない部分ややるべきことすらもよく分かっていない場合が多いんですよね。

足りない部分に気付いたら、それを克服するためにも外に出て刺激を受けてこい、仕事を休んでもいいからオープンカンファレンス行ってこいっていう感じです。とやかく指示されるよりも、自分で動いて答えを見つける方がエンジニアの性に合っているかなと思っています。悩んでいるときにあれこれアドバイスされても腑に落ちないというか・・・僕のアドバイスがダメなのかもしれませんが(笑)

 

生き残るには“知的好奇心”と“実行力”が必要

- そんなチームメンバーの方々にはどのような特徴をもった方が多いなと感じますか?

門田氏:大きな特徴としては、技術に対して貪欲というか、「新しいものを知りたい・身に付けたい」という欲求がものすごいところがありますね。かなりユニークなメンバーが集まっていると思います。みんな何かしらの想いを持っているし、持っていなかった人も周りがそういう雰囲気なので、感化されて、社内外の勉強会に積極的に参加するようになったりしています。

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今後、また新しくメンバーも増えていくと思いますが、「今自分にないものをやってみたい」「いろいろなことを試してみたい」 と思っている人なら居心地よく働いてもらえるかなと。先ほども言ったように初めはそうでなかった人もいますが、業界的にみても“WEB系エンジニアに求められているもの”が年々増えてきているので、そう思っている人じゃないと生き残れないと思うんです。なので、メンバーにもそういうマインドを求めますね。

ただ、ジェネラリストになるかスペシャリストになるか、などの選択は個人の自由だと思っていて。半年に1回、全エンジニアと1対1で話をするんですが、その場でも個人的にどうなっていきたいのか、その戦略は業界的に見てどう価値があるのかなどをぶっちゃけて話し合っていますね。そこでの戦略みたいなものに沿って仕事を割り振ったり、時には「その戦略だと半年後には市場価値なくなるからやめておけ」と口を出したりもします(笑)

- エンジニアの中にはゼロから立ち上げをやりたいと思っている人もいると思うのですが、その場合はどうするのでしょうか?

門田氏:F.O.X自体はかなり大きなプロダクトですが、その中に多くの小さなプロジェクトがある状態なので、そのプロジェクトの立ち上げやシステムのリニューアルなどを任せたりすることで対応できますね。実際によくやります。F.O.X以外ですと、たとえばメディア事業の『OPENREC.tv(オープンレック)』で活躍してもらうことも可能です。to BのF.O.Xからto CのOPENRECに異動するとほぼ転職レベルなので、社内の中だけでもいろいろと新しいことに挑戦できると思います。

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◇ゲーム動画配信メディア『OPENREC.tv』

- なるほど、社内転職ですね。さいごに事業の展望や門田さんご自身のいちエンジニアとしての今後の野望などがあればお聞かせください。

門田氏:マネージャとしては、今いるエンジニアやこれから入るエンジニアのみんなが可能な限り自分のやりたい仕事に打ち込めるように、その環境を整えたいと思っています。たとえば、裁量を渡す部分をより増やしたり、自分が巻き取る方が効率のいい部分があれば巻き取ったりですね。

今ちょうど進めてるのは、サーバ周りをすべてクラウド移行させるっていうプロジェクトです。費用対効果でいくとクラウドの方が多少高いんですが、よりクリエイティブなものを作る方にエンジニアのパワーと時間を割いてもらった方が僕たちにとってはメリットになると思っています。結構大掛かりなものになっていて、社外にアウトプットできる内容もかなり出そうな感じです。まずはこのプロジェクトを無事完了させたいですね。

個人的な野望としては、新規事業を立ち上げたいなと。F.O.Xを誰か他のメンバーに任せられるくらいになったら、CyberZを支える新しい柱になるような事業を創り出したいと思います。

- ありがとうございます。

技術や環境だけではなく、エンジニアの「マインド」に重きを置く株式会社CyberZ。

彼らが見ているものは、会社内での評価だけではない。変化の激しいIT業界の中で生き残るためにはどうすればいいのか、半年後の自らの市場価値を見ている。そんな彼らエンジニアの作業環境を整えることに余念がない門田さんだが、個人の野望である新規事業立ち上げの実現にも期待したい。

 

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今回取材した方

株式会社CyberZ  Force Operation X事業部 F.O.Xプロダクトマネージャ
門田 矩明(かどた・のりあき)氏

独立系SIerでFXシステムの開発に従事後、2012年サイバーエージェント中途入社。Webエンジニアとして、Ameba事業本部で複数のコミュニティサービスの新規立ち上げを経験。2014年CyberZ入社。現在は、開発責任者として「F.O.X」プロジェクトを率いる。

ReadWrite[日本版] 編集部
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