一方で、ゴール前のクオリティについては向上の余地が大きい。選手にもよく話しています。スプリントしながらどのゾーンに入るべきか、最後のジェスチャーが大事なんだと。どの足を使うか、どう視野を確保するか、シュートの前にキーパーの情報を把握しているかと。また、『もう少しアグレッシブになってくれ』とも話しています。
 
 もちろん、すべてのデュエルに勝てるわけではありません。ただ、我々は自分の身体も使えるし、相手に分からないように身体を使うとか。そしてゴールを取るんです。
 
 また、日本に着いてからずっと言っていますが、我々はいまだにPKがないのが理解できません。常に相手の16メートルに入っていながら、まだPKがない。各試合で20回ほどビッグチャンスは作っているにもかかわらずです。これについてはまた話さなくてはなりません。
 
 それからFKです。テクニックはかなり高いが、ゴール前に動き出す選手をリスペクトしなくては。そこからより多くの得点を取りたいと思っています。現代サッカーでは35パーセントのゴールがFKから生まれると言われますが、我々はゼロです。そこをトレーニング、説明する時間も欲しいところです。
 
 そして、我々の攻撃のクオリティは、我々より強い相手と戦った時に分かるはずです。よりフィジカルコンタクトも増え、戦う意識ももっともたらされるでしょう。そうすることによって、我々のチームをより詳細に分析できて、得点力ももっと伸ばせるはずです」
 
――イラン戦はアジアトップレベルのチームとアウェーで戦うが、今までのやり方を貫くのか、戦い方を変えるのか?
 
「やり方は特に変えませんが、選手は変えると思います。恐らく10万人近い観客のなか、なにかできるのではないかな、と。イランはFIFAランキングが日本より上のチームであり、良いテストになるでしょう。
 
 もちろん勝つことにトライしますが、ここでこそ本当のメンタリティが試されるはずです。イランも勝ちに来るでしょう。こちらも勝つ可能性が高いチームをぶつけたい。
 
 ディテールに関しては現地で考えますが、今は(シリアとの)1戦目に集中すべきです。2次予選を1位で通過するために、絶対に勝たなければなりません。シリアは我々のグループで首位に立ち、失点をしていないチームです。
 
 相手をリスペクトしなければいけません。我々にとって一番難しい、一番重要な試合が来たと考えています。まずはこの試合を終わらせてからイラン戦の話をしたいと考えています。
 
 シリア戦に関しては2週間以上前から準備をして、すべての分析ができています。すべて理解できているはずです。あとはトレーニングをして、勝つ準備をするだけです。ただ、簡単な仕事ではありません」