YouTubeチャンネル「元警視庁刑事・小比類巻文隆【最後の取調室】」が「脳がのっとられる?! 【ドパガキ】元警視庁刑事が解説」を公開した。動画では、「ドパガキ」というネットスラングを起点に、現代社会に潜む依存のメカニズムと犯罪心理の共通点について、元刑事の視点から解説している。

小比類巻氏はまず、「ドパガキ」について「短時間で得られる刺激を次々と求め、一瞬の退屈にも耐えられない状態の人」を指す言葉だと定義する。年齢に関係なく、SNSやショート動画などの刺激を絶え間なく求める人々を指すスラングとして使われているという。ドーパミンは本来、行動を促すための重要な仕組みだが、小比類巻氏は「気持ちいいというより『欲しい』『もう1回やりたい』という欲求に深く関係している」と語る。無意識にショート動画をスワイプし続ける行動は、まさにこの報酬を求める仕組みによるものだという。

動画の大きな特徴は、この「ドパガキ」現象を犯罪者の心理的背景と結びつけている点にある。刑事としての長年の経験から、「多くの犯罪者は『後でどうなるか』よりも『今、これが欲しい』という欲求を優先する」と指摘する。心理学における「遅延割引」という概念を引き合いに出し、将来の大きな利益よりも目先の小さな利益を選びやすい傾向が犯罪者には強く見られると説明。「遠い未来の重い刑罰よりも、今すぐ捕まるかもしれないという近い不利益を感じさせる方が犯罪抑止に繋がる」と持論を展開した。

「ドーパミンそのものは必要な仕組みだが、今すぐ欲しいという欲求に自分の行動まで乗っとられているのが問題だ」と小比類巻氏は警鐘を鳴らす。現代社会における日常的な刺激への依存が、どのような思考回路を生み出すのか、自らの行動を見つめ直すきっかけとなる示唆に富んだ解説であった。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。