いま書店に入れば、タイトルに「教養」のつく本が、山のように平積みされている光景は当たり前になった。そのほとんどは、ビジネスや学業などでの手っ取り早い成功と実益を目的としたものであることも共通点のひとつだ。「○○のための教養」といったタイトルが多いのもそのせいだろう。そうした現状を分析し、教養書ブームの背後にある日本社会と日本人の心理を鋭く観察したのが、レジーさんの書いた『ファスト教養』である。