冬四夜「事実は小説より奇なり」「というわけで、この最低男の話、明莉さんが連載している『怪談』にぴったりのネタですよね?ぜひ使ってください!」きらきらと輝く、まだ二十歳の読者モデルの子。一通り話をして、ひらひらと手を振り去っていった。青山通りから1本入ったところにあるこのカフェは、一軒家を改築した広々とした造りで居心地がよい。Wi-Fiも繋がるから、ライターの私が打ち合わせや、短時間の執筆に使う隠れ家だ。