高齢化が進む日本において、家族が認知症になるという事態はどんな家庭でも、どんな人にも起こりうる。『お父さんは認知症父と娘の事件簿』(中央公論新社刊)の著者・田中亜紀子さんの父もそうだった。田中氏によると、認知症と診断される前から、父の様子に異変を感じてはいたものの、「年のせいだろう」「ちょっとおかしいけど、まだ大丈夫だろう」と、自分をごまかすような時期が続いたという。しかし、気づくと父の人格が変