昨日までアジア人に石を投げていたのが、今日は亡くなった黒人に涙するのを見ると、人間というものは、たいがいだな、と思う。首尾一貫していない、などと安っぽい非難をするつもりはない。むしろ、この首尾一貫の無さ、軽挙妄動を生じさせるものこそ、我々はもっと自覚して恐れるべきではないか。 それは、同調圧力の狂気だ。「差別」するのも、「差別」に激怒するのも、個人の自発以上に、そこに同じ社会の強迫が見え隠れする。