30歳の男が映画館でガン泣きするのは正直けっこう恥ずかしい。恥ずかしいのだが、『夜明け告げるルーのうた』ではボロボロ泣いてしまった。というか、今もこのタイトルをタイプした瞬間にグッときている。ストーリーは正当派のジュブナイルなんだけど……中学三年生の少年・カイは、寂れた漁港の町である日無町で父と日傘職人の祖父と一緒に暮らしている。両親の離婚に伴って父親の実家に越してきたのだ。カイの趣味といえば自作の