東京五輪で開会式の楽曲制作に起用されたミュージシャンの「コーネリアス」こと小山田圭吾氏(52)。過去の“いじめ告白”が波紋を呼び、7月19日に辞任することに。あわせて東京五輪の組織委員会も謝罪したが、その責任を問う声が広がっている。

小山田氏は95年8月に刊行された雑誌『Quick Japan』で障がい者や在日外国人と思われる同級生への、暴力や“からかい”を面白おかしく告白。なかには自身は加担しなかったものの、自慰行為を強要する性暴力もあったと笑いながら明かしている。そのため14日、小山田氏が東京五輪の開会式において「作曲担当」に就任したと報じられると「オリンピックに相応しくない」といった批判が相次ぐ事態に。

16日、小山田氏はTwitterで謝罪コメントを発表し《私が傷付けてしまったご本人に対しましては、大変今更ではありますが、連絡を取れる手段を探し、受け入れてもらえるのであれば、直接謝罪をしたいと思っております》とも投稿。そののち、組織委の武藤敏郎事務総長は「このタイミングでもあるので、引き続き大会を支えていって貢献してもらいたい」と続投を表明した。

そんななか、小山田氏の“いじめ”は国外でも広く報じられることに。イギリスの『ガーディアン』やフランスの『フィガロ』などが報じ、海外からも問題視する声が。いっぽう組織委の高谷正哲氏は19日に開いた会見で、小山田氏を「現在は高い倫理観を持って創作されているクリエイターの1人」とし再び続投を明言した。

しかし同日、小山田氏は辞意を表明。そして、組織委もそれを受け入れることに。さらに共同通信によると、武藤事務総長は“続投”について「判断が甘かったと深く反省している」と謝罪したという。

それでも、組織委への厳しい声は後を絶たない。2度にわたる続投によって、彼らは問題をスルーしようとしたためだ。ネットではその責任を問う声が相次いでいる。

《よくこんなのを調べもせず決めたよね。やった当時は普通の感覚でしてると思ったら気味が悪すぎる》
《判断が甘かった、じゃなく、日本だけで言ってたら続投してたでしょう。オリパラなのに想像力がない。海外から苦言や批判が直接来たからでしょうよ》
《組織委は、何度同じことをやらかすんだ。この一件で、障害をもつ方や、そのご家族が、どれほど胸を痛めたか考えるべきだ。謝罪すれば留任できると考えるセンスのなさにあきれるばかり》
《続投と決めたことってかなり問題だと思う。これまで組織委員会のやったことって支離滅裂で無責任で機能してる気がしない。沢山お金貰っておいて一体これまで何やってたの?》

度重なる辞任、そして新型コロナウイルス。さらに暑さ対策など問題は山積みのようだがーー。東京五輪が開催されるまであと3日だ。