バルセロナのネイマール獲得をめぐる問題の新たな展開が、スペインサッカーを揺らがしている。ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長が、元監督で昨年4月に闘病の末に亡くなったティト・ビラノバ氏を持ち出したのだ。「クラブが先んじてネイマールを獲得することを望んだのは彼だ」という。

これは、スペイン『Cadena Ser』が27日に報じたものだ。同メディアはバルサ会長が裁判で次のように話したと伝えている。バルトメウ氏は当時、サンドロ・ロセイ会長の下で副会長を務めていた。

「2013年、ビラノバがネイマールの加入を1年早めることを望んだ。彼はクラブにああいう選手が必要だったと考えていた。我々はニューヨークで治療していたティトに会いに行った。彼は変化を求めていた。(ダビド・)ビジャではなく、すぐにネイマールが欲しいと。そこでロセイは選手の父親との交渉をまとめた」

サントスからのネイマール獲得はレアル・マドリーの争奪戦参加により1年早まった。そのレアルは争奪戦から手を引いたが、獲得を早めたことは移籍金の高騰を招き、バルセロナは現在脱税の疑いをかけられている。

バルセロナはネイマールの獲得コストが5700万ユーロ(約74億円)だと発表。だが、当局は実際に8300万ユーロ(約107億7000万円)が支払われたとみている。パブロ・ルス裁判官は、クラブが本当の獲得コストを隠すために複雑な契約形態をつくり上げたとしており、マドリッドの検察官はバルトメウ氏に2年、ロセイ氏に7年の懲役を求刑している。