お腹ぽっこりの86.5キロから何キロ痩せられるか?

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 僕が太り始めたのは5年前、禁煙を始めた後だ。禁煙のストレスをごまかすために過食に走りドンドン太っていった。

 禁煙前は65キロほどだったのだが、結果80キロを超える体重になり、タバコ吸ってた方が長生きできたんじゃないか? という体型になってきた。

 というワケで今回はダイエットに挑戦することに!! しかも諸般の事情から、取材費のかからない、『断食ダイエット』にトライ!!

 ここからは日記風に、ダイエットの様子を読んでいただこう。

第1日 86.5キロ



 深夜12時スタートなので、前日の夜10時から食べまくる。ラーメンにオニギリにチョコ。不健康にもほどがある。

 そして夜12時を回ったら寝てしまった。 翌日、目が覚めてもしばらくは平気。クセで「夜、何食べに行こうかな?」と考えてしまい、そのたび「いかんいかん、断食中だ……」と打ち消す作業を繰り返す。

 初日は、取材もできたし、ルポも書けた。夜から体がだるくなり、頭がぼーっとして、深夜には頭痛がしてきた。耐えられないほどではないが、継続した痛み。

 一説によると、脳に送られるエネルギーが糖から脂肪を分解してできるケトン体に変わったため起こる現象だという。

第2日 83.8キロ





 目が覚めるとお昼だった。普段より睡眠時間が長かった。だるさや頭痛もなくなり、とてもフラットな状態。夕方ごろから空腹がだいぶ厳しくなってきた。夜になると、食べ物のことばかり考えるようになった。

 ペットとして飼っているフクロモモンガがエサを食べる様子を見て、羨ましいな〜と思うような末期症状に。食べてるの虫なのに。

 深夜になるとより飢餓感が強くなり、たまに「やばいやばい!!」とパニックになる。座禅を組んで、深呼吸をして、気を落ち着ける。

 何も食べていないのに、口の中がやたらとニチャニチャする。口臭もきつくなったような。唾液量が減っているのかもしれない。

 寝る前に頭痛が再び始まる。まだ仕事をしていたが、なかなかはかどらなかった。体重は3キロ近く減ったが、これは、初日に食べ過ぎていたせいだと思う。

第3日 82.3キロ





 寝起きはとても良い。すがすがしい気持ち。とても体調が良い。頭痛もなく、だるさもない。

 しかし、なぜか光に敏感になっている。パソコンのモニターがやたらと明るく感じる。まぶしい。

 深夜になって、断食後初の便通が。しかし宿便が出たという感じではない。ほんの少しだけしか出ずに、もどかしい。

 1日を通して体調は良かったが、なぜか全く仕事ははかどらなかった。体重は1.5キロ減。なかなかのペースである。

第4日 83キロ





 起床後、体がだるい。脱水気味になっている気がして、水分をたくさんとる。

 断食をしてから、あまりに運動不足だと思い、近所の公園を2時間ほど散歩する。体は疲れやすくなっているようで、帰宅後バテバテになってしまった。

 散歩でエネルギーを使ってしまったのか、深夜にすさまじい飢餓感。お茶を飲んだりしてごまかすが、かなりしんどい。体重は700グラム増えてしまったが、これは水分を取り過ぎたせいである。

第5日 80.6キロ





 目覚めから、とてもだるい。身体に力が入らない。雑誌の締め切りが近いのだが、とても仕事どころじゃない。ルポを書こうとすると頭がまわらないし、イラストを描こうとすると手が震える。いかんともしがたい。小説を読んだり、映画を見たりする気力もなくなって、ひたすらぼーっとして過ごす。

 夕方頃、かなり大量の便通があった。ただよく言われる真っ黒の便ではなく、普通の色。残っていたのが全部出たという感じ。

 断食を始める前に食べた、チョコの銀紙の臭いをくんくん嗅いで、しのぐ。

 そしてやっと断食は終了した。長い長い120時間だった……。

 体重は約6キロ減と、素晴らしい結果になった。



 5日で6キロ痩せるとはなかなか効率がいいダイエットだなと思った。まるまるとしていたお腹も、ぎゅんと減っこんだ。

 断食後は、カロリーメイトやリンゴなどを食べる。ものすごい美味しく感じるかと思ったら、そうでもなかった。むしろ最初の一口は味を感じなかった。

 しかし食べた直後から、どんどん元気が出てくる。食べ物の大事さを思い知る。しかし、再び頭痛がしてくる。これはエネルギーが糖に変わったからなのだろうか?

 3日目までは、トータルとして体調もよく、気軽にできた。3日までなら、たまにやってもいいかなと思った。

 ただし、仕事のペースはガタガタになった。やはり、断食中はスケジュールを空にしないとダメである。

 もちろんリスクがある方法なので、万人にオススメというワケではない。十分に体調の良い時に、余裕を持って行うようにしてください。

(取材・文/村田らむ)