中国メディアの中青在線は15日、1964年に開業した新幹線は速度などの面で他国の高速鉄道に追い抜かれてしまったとする一方、日本はリニア中央新幹線によって世界最速の鉄道という称号を奪い返すつもりだと論じた。(イメージ写真提供:(C)06photo/123RF.COM)

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 中国メディアの中青在線は15日、1964年に開業した新幹線は速度などの面で他国の高速鉄道に追い抜かれてしまったとする一方、日本はリニア中央新幹線によって世界最速の鉄道という称号を奪い返すつもりだと論じた。

 記事は、世界の高速鉄道の先鞭をつけた新幹線に対し、英紙ガーディアンが「新幹線の存在が戦後の日本の飛躍的発展をもたらした」と伝えていることを紹介し、新幹線が日本全国の労働力を東京に集中させ、日本各地の都市間の距離を縮めたと論じたことを伝えた。

 続けて、新幹線には特筆すべきとして、「安全性」があげられると指摘し、開通から50年が経過した今なお営業運転中の乗客の死亡事故は1度も起きていないと紹介。新幹線の安全性は「一筋の傷すらない完ぺきな記録」と称えた。さらに、2011年における東海道新幹線の1列車あたりの平均遅延時間がわずか36秒であったことに驚きを示し、「暴風雨など悪天候による遅延があっても、わずか36秒だった」と伝えた。

 また、新幹線の乗車中にスボンが破れたという乗客の話として、乗員が乗客を目立たぬ場所まで連れて行き、ズボンを縫ってくれたというエピソードを紹介したうえで、新幹線のサービスも旅客に「忘れがたい思い出」を与えるほどにすばらしいと紹介した。

 さらに記事は、英国の鉄道専門誌の関係者の話を引用し、「新幹線はかつて世界の高速鉄道の最先端だった」とする一方、世界の国々も高速鉄道を導入し、速度の面で新幹線は追いつかれ、追い抜かれてしまったと指摘。

 一方で、東京五輪が開催された年に新幹線を開通させた日本は、2020年に再び夏季五輪を開催すると指摘したうえで、2027年のリニア中央新幹線の開業によって世界最速の鉄道という称号を奪い返すつもりだと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)06photo/123RF.COM)