敵将は“してやったり”の表情

 マリナーズ岩隈久志投手が24日(日本時間25日)、敵地ボストンでのレッドソックス戦に先発登板し、2回1/3を投げて6安打、今季ワーストの5失点。今季13勝目はならず、勝敗はつかなかった。先発としてメジャー自己最短でKOされた右腕は「全体的に全然良くなかった。ボールも抜けていた。チームに貢献できなかったので申し訳ない」と反省の言葉を口にした。

 今季敵地で防御率2・45と好成績を残している岩隈だが、過去3戦未勝利と苦手にしているレッドソックスは例外だった。

 1回に3点の援護をもらったが、その裏に先頭打者を安打で出すと、2死二塁となって4番セスペデスに左前適時打を許した。続くナポリに今季初死球を与えると、クレイグにも連続死球で満塁に。ここでミドルブルックスに変化球を右前へ運ばれ、2者が生還し同点に。39球を要する苦しい立ち上がりとなった。

 2回を3人で片付けて立ち直りの気配を見せたが、3回にまたつかまった。四球をきっかけに長短打を集められて2点を勝ち越され、降板。持ち味の制球力が最後まで影を潜め、「コントロールがきかずにどうしようも無かった。マウンドが低く感じて思ったように投げられなかった」とがっくり。これでレッドソックス戦の防御率は10点台に。

 岩隈は「特に意識はしていないけど、相性ですかね」と首をひねった。一方、レッドソックスのファレル監督は「低めにボールを集めるのが彼の持ち味。低めへの投球にうまく対応できている」と、してやったりの表情だった。

 抜群の安定感で投手陣を牽引してきた右腕にとってはまさかの乱調となったが、降板後に味方が勝ち越し、敗戦投手を免れた。チームは救援陣の踏ん張りもあって接戦を制し、レッドソックスに3連勝。最近18試合を14勝4敗と好調を維持し、プレーオフ争いで優位に立っている。

 岩隈は「今日は逆転してもらったので野手に感謝したい。こういう日もある。切り替えるしかない。また、貢献できるようにしっかりと調整したい」。中5日での登板が予定される次戦に目を向けた。